【朝日杯FS】ジョワに続け!!1戦1勝のハクサン

[ 2011年12月16日 06:00 ]

<朝日杯FS>抽選を突破して気合十分のハクサンムーン

 2歳王者決定戦「第63回朝日杯FS」の出走馬16頭が15日、確定した。注目は11分の2の狭き門となった賞金400万円組の抽選。1戦1勝馬ハクサンムーンが首尾良く突破し、先週の阪神JFを制したジョワドヴィーヴルに続けとばかりに陣営は意気上がっている。なお、同レースの枠順は16日確定、17日に前日発売される。

 午後2時5分の栗東トレセン出馬投票室前。ハクサンムーンの西園師の明るい声が響いた。「11分の2で入ったか!!通る気がするなんて冗談で言っていたが、本当に入ったね。良かったよ」。その笑顔に吸い寄せられるように報道陣が集まった。「先週の阪神JFも1勝馬が勝った。底を見せていないという意味では、この馬も同じ。チャンスを与えられたと思いたい」。指揮官の口調は力強く、除外された9頭の分まで頑張るという決意表明のように聞こえた。

 能力の高さは折り紙付きだ。デビュー前の坂路でサダムパテック(重賞2勝)を軽くあしらって一躍、注目を集めた。迎えた新馬戦では単勝1・2倍の圧倒的1番人気。スタートで出遅れたが、冷静にハナを奪って余裕十分に逃げ切ってみせた。「クラシックを意識している馬。性能は非常に高い。見た目は目立たないが走らせると動く。エンジンが違うと感じさせる」。エーシンフォワード(マイルCS)などでG1勝ちを経験した指揮官も一目置く、高い能力を秘めている。

 14日の坂路追いも迫力満点だった。ヴァリアシオン(朝日杯除外)と併せたが、しきりに酒井のムチが入る僚馬に対し、終始馬なりで涼しい顔。しかもハクサンには助手が乗っており、鞍上の重量差がありながらの頭差先着だ。時計は4F52秒8~1F12秒7だが、追えば52秒台前半で駆け抜けていただろう。「凄い動きだったし、やればもっと動く。とにかく調教で負けたことがないんだ」と西園師は感嘆した。

 「伸びしろの大きさが楽しみ。期待の大きい馬だから、1勝馬でもあえて挑戦したいと思っていた。何かやってくれそうな気がする。メンバーは強いがスピードは十分に通用するだろう。謙虚に向かっていきたい」。指揮官は素質馬を大舞台に送り出せる喜びをじっくりとかみしめていた。

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2011年12月16日のニュース