【ジャパンC】ブルースリ「2年ぶり」の手応え

[ 2011年11月23日 06:00 ]

洗い場で体を洗ってもらうオウケンブルースリ

 今年のジャパンCには近年出世レースとして注目されているアルゼンチン共和国杯の1、2着馬がそろって参戦する。同レース2着のオウケンブルースリは一時の不振を脱し、復調ムード。ウオッカの鼻差2着に敗れた09年の雪辱を狙う。一方、前走で重賞初Vを飾ったトレイルブレイザーは4歳秋を迎えて本格化の気配。どちらも不気味な存在となりそうだ。

 4度目の正直へ。オウケンブルースリに一発ムードが漂っている。火曜朝は坂路を1本。4F65秒3~1F16秒3でゆったりと駆け上がった。「脚元などの心配がなくて調教をしっかりやれている。これだけ順調にこられたのは2年ぶり」。塩津助手の表情は明るい。

 「2年ぶり」にピンと来るファンも少なくないはずだ。09年ジャパンC。ブルースリは直線で豪脚を繰り出し、先に抜け出したウオッカに猛然と迫った。長い写真判定の末に鼻差2着に敗れたが、東京では無類の強さを誇った女傑と歴史的名勝負を演じた。08年は5着、昨年は7着も着差はそれぞれ0秒3、0秒5。塩津助手は「直線は長い方がいい」と舞台を歓迎した。

 昨秋以降は順調さを欠いて不振が続いたが、今秋は復調が著しい。前走・アルゼンチン共和国杯の最終追い切りは坂路4F52秒0~1F12秒7。天皇賞・春(10着)時が4F52秒6~1F14秒2だったのと比較すれば、追い切りの動きも雲泥の差。最後までしっかり走れるようになり、力強さも戻った。音無師は「今年は順調に乗れているからね。昨年に比べれば全然いい」と完全復活への手応えをにじませた。

 前走は2着に敗れたものの、勝ったトレイルブレイザーより3・5キロ重い58・5キロを背負ってメンバー最速の上がり3Fをマークしたのだから内容は悪くない。3F最速は昨年の京都大賞典(2着)以来。大一番を前に自慢の末脚がよみがえってきたのは頼もしい。

 塩津助手は「2年前ぐらい走ってもおかしくない状態」と繰り返した上で「あとは引っ張ってくれる馬がいればいいんだけど」と希望を口にした。外国馬の参戦で展開が読みづらいジャパンC。菊花賞を制したスタミナと、ウオッカを追い詰めた末脚が生きる流れになれば、4度目の正直が現実のものとなるかもしれない。

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2011年11月23日のニュース