【オールカマー】アーネストリー完勝!出来70%も格違った

[ 2011年9月26日 06:00 ]

<オールカマー>単勝1・4倍の人気に応えたアーネストリー(左)

 中山のオールカマーも春のグランプリホース・アーネストリーが単勝1・4倍に応えて完勝。秋のG1戦線へ弾みをつけた。

 宝塚記念から12キロ減。発汗も多めに見えた。そしてただ1頭の59キロ。だが、春のグランプリをレコードで制したアーネストリーにとって、この程度は他馬への軽いハンデでしかなかった。

 3番手追走から4コーナー、抜群の手応えで前を捉えにかかった。直線を向いてすぐ先頭。コロンバスサークルがインから抵抗したが、左ムチ2発で一気に突き放す。ゴール前では流す余裕で1馬身半差の完勝。G1馬の底力をこれでもかとばかりに見せつけた。

 佐藤は完璧なレースかと聞かれ「そうですね」と答えた。「普通にゲートを出てあの位置へ。完成の域に近づいてきたので完調手前でも楽に競馬ができた」。向正面で前2頭と離れた時に深追いしなかったのは鞍上の好判断。人馬一体、次にダメージを残さない理想的な勝ち方だった。

 始動戦に位置づけた札幌記念を左前脚球節の軽い捻挫で回避。症状自体は軽いものだが再び軌道に乗せるのに時間を要した。函館から新冠、鳥取の大山、栗東へと輸送を重ねた。12キロ減はそのためだった。

 佐々木師は、かみしめるように語った。「体が減るのは覚悟の上。正直70%の急仕上げ。腰の弱さも相変わらず。でも、どんなトラブルがあってもG1馬がG2戦で負けてはいけない」。かつて管理したタップダンスシチーはジャパンC優勝後、2度G2戦に出走して、いずれも59キロで快勝。G1馬の格を傷つけないのが師の絶対的な方針だ。

 次走は予定通り天皇賞(10月30日、東京)。「ブエナビスタには一目置くが、こちらも100%で臨む。ファンは楽しみだろうね」(同師)。その後は有馬記念(12月25日、中山)を使い、来年はドバイワールドC、凱旋門賞など全て海外のレースに出走する可能性があるという。最も苦しい前哨戦をクリアしたアーネストリー。上積みたっぷりに盾から世界へと挑む。

 ◆アーネストリー 父グラスワンダー 母レットルダムール(母の父トニービン) 牡6歳 栗東・佐々木晶厩舎所属 馬主・前田幸治氏 生産者・北海道新冠町ノースヒルズマネジメント 戦績21戦10勝 総獲得賞金5億7890万9000円。

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