【フィリーズレビュー】ドナウ“そこそこ”でも万全

[ 2011年3月10日 06:00 ]

坂路コースで併せて追い切るドナウブルー

 必ずや巻き返す。桜花賞トライアル(3着まで優先出走権)のフィリーズレビューに挑むドナウブルーは坂路で最終追い切り。予定通りの“軽め併せ馬”で万全の仕上がり。1番人気で5着に終わったシンザン記念の二の舞は繰り返さない。

 正直言って時計はそこそこ、ラストも鋭く伸びたわけではない。それでも、ドナウブルーの最終追いは完璧だった。石坂師がその意図を説明する。

 「精神面が大人になって凄く落ち着いているので、(レースで)反応が良くないかもと思って併せ馬をした。負荷をかけないわけにはいかないけど、やり過ぎず、軽過ぎず。ソフトないい併せ馬ができた」

 馬体が細くなりやすい体質を考慮しつつ、気合は乗せる。この相反する2つの目標を同時に達成するために陣営が選んだのが、馬なりでの併せ馬。坂路でクリムゾンブーケ(5歳500万)とスタートからぴったり併走。ラスト1F手前で自然に前へ出ると、そのままゴールまで追われることなく半馬身先着。4F54秒8~1F12秒8は過去3戦の最終追いより遅いが、フットワークは軽快そのもの。またがった荻野(レースはリスポリ)も「全身を使ってバネのある走り。最後は反応を見るだけでしたけど、ずっと伸びるような手応えでした」と好感触だ。

 あらためて真価が問われる。前走・シンザン記念は1番人気に推されながら初の牡馬相手ということもあって序盤から折り合いを欠いて5着。その後はリフレッシュも兼ねて、ノーザンファームしがらきへ短期放牧に出された。その効果がありありとうかがえるのが今回だ。帰厩時の体重が446キロだったように腹回りは以前よりふっくらし、落ち着きも十分。師も「いい放牧効果があったし、430キロ前後(前走時422キロ)で出せそう。ずっとマイルを使ってきたけど、いいリズムで走っていたわけじゃないから1400メートルの方がいい。シンザン記念は結果が出なかったけど、ドナウブルーには力があるし桜花賞へと思っている」

 期待のディープインパクト産駒。一回り成長し、どれだけのパフォーマンスを見せられるか。打倒レーヴディソールへここから再出発だ。

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2011年3月10日のニュース