【阪神JF】芦毛伝説再び!ディソール異次元の11秒5

[ 2010年12月9日 06:00 ]

3頭併せで追い切るレーヴディソール

 「第62回阪神JF」(12日、阪神)の追い切りが8日、美浦、栗東両トレセンで行われた。栗東ではデビュー2連勝のレーヴディソールがCWコースで鋭い伸びを披露。07年阪神JF2着の姉レーヴダムールの雪辱へ態勢を整えた。

 芦毛の白い馬体が、その存在感を誇示するかのように脚を伸ばした。レーヴディソールの最終追い切りはCWコース3頭併せの最内。真ん中のユニバーサルバンク(2歳500万)がいっぱいに追われたのに対し、相手に合わせる余裕の手応えで首差先着を果たした。
 道中は前に2頭を置いて折り合いをつけ、6F87秒2~1F11秒5。松田博師は「あんだけ(時計が)遅かったら、手応えでも良くなかったらなあ」と笑い飛ばしつつも「先週が速かったから今週は控えめで、しまい重点。あれで満足ですよ」と仕上がりに合格点を与えた。
 デビュー2連勝。ともに圧巻の内容だった。小回りで直線の短い札幌での新馬戦をケタ違いの末脚で差し切ると、続くデイリー杯2歳Sは出遅れて外々を回りながら牡馬を一蹴した。師は「2走目であんな競馬をしてくれるのだから心配することはない」と目を細める。
 ベガ、アドマイヤムーン、ブエナビスタなど幾多の名馬を育て上げてきた名伯楽のほれ込みようが、器の大きさを物語る。師は「おとなしいし賢い。瞬発力と反応の良さが武器」と長所を並べ立てた上で「今まで手がけてきた馬に負けないくらいの能力がある」と明言。ブエナビスタとの比較については「同世代じゃないから」と言及を避けたものの「歴史に残る名牝になれそうか」と問われると「そんな予感はある」と目尻を下げた。
 血統的にも筋が通っている。兄姉4頭はすべて重賞連対かオープン勝ちのある出世馬。松田博厩舎には姉レーヴダムール、兄レーヴドリアンが在籍したが、師は「上とは似てへんよ。同じ瞬発力があるのでも、違うな」とサラリ。まるで瞬発力の「次元が違う」と言わんばかりだった。
 ウオッカ、ブエナビスタ、そしてアパパネ。近年の名牝は2歳女王の座をその後の飛躍につなげた。「他の馬のことは分からんけど自信を持っていける」と師。“芦毛の怪物”オグリキャップがこの世を去った年の暮れに、新たな芦毛伝説が幕を開けようとしている。

続きを表示

2010年12月9日のニュース