【神戸新聞杯】菊勢力図塗り替えた!頂点へイコピコ!

[ 2009年9月28日 06:00 ]

<神戸新聞杯>ゴール前、差し切って1着のイコピコ(左)

 菊の新星誕生だ!!菊花賞TR「第57回神戸新聞杯」が阪神競馬場で行われ、7番人気イコピコが直線一気のレコード制覇で、春のクラシック出走組をまとめて撃破の大金星。菊花賞(10月25日、京都)の有力候補に一躍浮上した。

 春の主役たちを一気に抜き去った。春はクラシックの舞台に立つことすらできなかったイコピコが鮮やかすぎる快勝だ。伸びあぐねる皐月賞馬アンライバルドを見ながら大外を強襲。粘るダービー2着リーチザクラウンに2馬身差をつけた。メンバー最速の上がり3F33秒7で、2分24秒2のレコードV。
 今回が初騎乗だった四位も驚きの表情だ。「いや~、強かった。前が飛ばしてくれたので、中団で折り合いをつけて3角あたりまでスムーズに進めた。あとはどのへんをさばいていくかだけ。本当にいい脚を使ってくれた」
 もともと切れ味には定評があった。春の条件戦でも距離こそ違えど、上がり33秒台の末脚をコンスタントにマーク。福島のG3・ラジオNIKEEI賞でもトップハンデ57キロを背負い、展開面の不利もありながら4着まで追い上げた。潜在能力の高さに加え、ひと夏を越して末脚の鋭さに一段と磨きがかかった。
 西園師も愛馬の成長に目を細める。「放牧から戻ってきて良くなったね。最終追いの坂路ラスト(1F)11秒9はなかなか出せるものではない。跳びがきれいなので良馬場でやりたいとは思っていたけど」
 ダービー出走組が8頭。世代屈指の実績馬が顔をそろえた。強烈な決め手を武器にするタイプが多い中、ケタ違いの切れ味を披露。価値ある勝利に西園師は「環境の変化に順応するのがうまいね。直前も少し太いかなと思ったけど、自分で体をつくってきた。本番も楽しみだね」。
 ここまでキャリア8戦のうち、実に7つの競馬場を経験。新馬戦は15着惨敗のスタートだったが、一歩一歩、地道に階段を上ってきた。「イコピコ」とは、ハワイ語で頂点を意味する。その視線の先には、ラスト1冠の菊花賞がはっきりと見えている。
 ▼イコピコ 父マンハッタンカフェ 母ガンダーラプソディ(母の父ジェイドロバリー)牡3歳 栗東・西園厩舎所属 馬主・錦岡牧場 生産者・北海道新冠群新冠町錦岡牧場 戦績8戦4勝 総獲得賞金9692万5000円。

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2009年9月28日のニュース