ディザイア栄光が見えた瞬間、まさか…/桜花賞

[ 2009年4月13日 06:00 ]

<阪神競馬・10R桜花賞> ブエナビスタ(右)に半馬身差敗れた2着レッドディザイア(中央)

 強かった。それ以上に相手は怪物だった…。残り100メートル。レッドディザイアの馬体は、誰の目にも一度は前にグイッと出た。

 「やった!!」
 鞍上・四位も、おぼろげに勝利を悟った瞬間、外からブエナビスタの影が迫った。その差、半馬身。史上7頭目の“無敗の桜花賞馬”の偉業は7万大観衆の歓声の中で消えていった。
 「やったと思うのが早かったかな。思い通りのレースができたと思う。まだ3戦目。この雰囲気で普通の子ならイレ込むけど、馬場入りした後も落ち着いていた。本当に大したもの。悔しいけど、中身の濃い競馬だった」
 パートナーの四位が称える通り敗れてなお、強さを印象づけた。堂々としたパドックの脚さばき。大外18番から正攻法で外に持ち出し、3F33秒7の剛脚。これで勝てないのだから相手を褒めるしかない。
 調教師として初のG1を逃した松永幹師は検量室から足早に飛び出してきた。「残念だった。でも、これで次が楽しみになった。オークス(5月24日、東京)です」。少ない言葉の中に次なる府中でのリベンジに闘志を燃やした。
 「スタートして内を見たら(ブエナビスタが)見えなかったので、後ろにいるなとは思っていたけど…。僕のもキャリアが浅い分、道中フワフワする面があった。オークス?掛からないので、馬込みに入らなくても競馬できるのは強み」と四位は誓った。“新女傑対決”の第2ラウンドは6週後の東京。再び、火花が散る死闘が演じられるのだろうか。

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2009年4月13日のニュース