加藤“乱世”で台頭/日本選手権競輪

[ 2009年3月8日 06:00 ]

 大阪・岸和田競輪場で開催中のG1「第62回日本選手権競輪」は8日、11Rで決勝戦(優勝賞金6600万円)が争われる。3連勝で勝ち上がった村上義弘と加藤慎平が連係する中部・近畿ラインを本線に推したが、悲願のG1初制覇を狙う海老根恵太と武田豊樹、ダービー連覇の偉業に挑む渡辺晴智らで横一線の優勝争いが繰り広げられる。山崎芳仁は7日の11R準決勝で4着敗退、G1決勝進出連続記録は9回でストップした。

 脚力No・1の山崎芳仁の脱落はあったが、G1最高峰の“競輪ダービー”の決勝戦にふさわしい顔ぶれになった。G1タイトルホルダーは村上、渡辺、加藤、山口、鈴木の5人。残る4人もG2の優勝経験があり、誰が勝っても不思議でない9選手が激突する。
 勝ち上がりの動きがひと際光るのは地元・近畿地区の村上。「ファンの応援もあり、自分の力以上のものが出せている。3連勝は奇跡」。準決勝終了後には興奮のあまり、泣きだすほど地元ビッグに懸ける思いは強い。02年11月の全日本選抜競輪で初めてG1タイトルを獲得した思い出の当地で復活劇を目指す。
 村上同様に3連勝で勝ち上がった加藤の動きも抜群だ。「目標とした選手が頑張ってくれたおかげ。その気持ちに応えたい。自分も優勝を狙える準備はできている」。加藤にとっても岸和田はG1初タイトルを獲得した(05年12月・全日本選抜競輪)思い出の地。今年2月の西王座戦優勝で復活の兆しを見せただけに「加藤慎平らしいレースをして」G12度目の優勝を飾るかに注目が集まる。
 悲願のG1初優勝を狙うのは武田と海老根。武田は08年11月の広島ふるさとダービー、海老根は今年2月の西王座戦を優勝。両者ともに着実に積み上げた実績からG1タイトル獲得の機は熟している。
 そして08年の静岡ダービー覇者の渡辺は山田裕仁(02~03年)以来のダービー連覇の偉業に挑む。「(連覇の)チャンスがある限り狙ってみたい」。62回目の競輪ダービーもまた記録と記憶に残る決勝戦になるはずだ。

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2009年3月8日のニュース