チェレブリタもべた惚れだ!武豊完全復活/京都牝馬S

[ 2009年2月2日 06:00 ]

<京都牝馬S>武豊騎乗のチェレブリタが豪快に追い込んで優勝

 「第44回京都牝馬S」はチェレブリタが豪快に追い込んで重賞初制覇。武豊騎手(39)は昨年の天皇賞・秋(ウオッカ)以来の重賞タイトルで、デビューから23年連続、通算では255回目の重賞タイトルを引き寄せた。

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 スタンドで観戦していた荒川師が思わずうなる。「本当に上手に走らせてくれた」。気ままな牝馬チェレブリタの馬上で誇らしげに笑った武豊は「指示通り乗れましたね。会心ですね」とレース運びを珍しく自画自賛した。
 初めてコンビを組む武豊には、同師からやっかいな注文が出されていた。「直線で挟まれそうになるぐらい窮屈な競馬をしてほしい。馬を怒らせた方がいい脚を使うから」。武は頭を抱えた。「直線で本当に挟まったら万事休すやん」。注文にこだわりすぎて実際に進路を失うわけにはいかない。オーダーを無視して安全に外を回すこともできない。「さて、どうするか」。難題への明快な回答が直線の一瞬の手綱さばきに凝縮されていた。
 スタート後は後方馬群の内で脚をためる。直線、逃げるカレイジャスミンとテンイムホウとの間にわずかなスペースが開いた瞬間、迷わず進路を向けた。2頭の間で挟まれるような形になると、チェレブリタの闘志に火がつく。たちまち両馬の間を突き抜け、外から迫るレインダンスに1馬身1/4差をつけていた。
 「最初から外を回すつもりはありませんでした。手応えもいいし、どこを回そうかなという感じ。いいところがあきましたね」。チェレブリタとはイタリア語で“セレブ”の意味。難しいセレブの注文に完ぺきに応えた武豊は満足そうな笑みを浮かべた。
 昨年11月23日に落馬で右腕を骨折。朝日杯FS(12月21日)からレース数を限定して騎乗を再開したものの、1月10日には患部にうずくような感覚が残り、再び休養。18日に復帰後も騎乗数を抑え気味だった。だが「今週からバリバリ乗ります」の宣言通り、この日は6鞍に騎乗して3勝。セレブの注文に応えたスーパーライディングが完全復活を証明した。
 ▼チェレブリタ 父ブラックホーク 母アカプルコ(母の父アンバーシャダイ)牝4歳 栗東・荒川厩舎所属 馬主・(有)三嶋牧場 生産者・北海道浦河町三嶋牧場 戦績15戦4勝 総獲得賞金1億260万3000円。

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2009年2月2日のニュース