美浦“復権”を担った7人の侍

[ 2008年5月30日 06:00 ]

 【東西厩舎発 29日美浦】午前9時を過ぎて人が少なくなった調教スタンドの一角。マイネルチャールズに騎乗する松岡が、騎手時代の87年にメリーナイスでダービーを制した根本師の話に真剣に耳を傾けていた。

 これを目撃した岡本は根本師がダービー騎乗の秘けつを伝授したかと思い、師を直撃。実際は騎乗依頼の相談だったが、師は「ダービーは昔と違って今は18頭(87年は24頭)だから紛れは少ない。騎手で最後にものをいうのは気持ち。松岡は大丈夫」と若手の勝負度胸に太鼓判を押した。さらに「自分が美浦でやっているから、やっぱりそろそろ美浦の馬や騎手に勝ってもらいたいよね」と率直な胸の内も明かした。
 10年の月日は長い。関西馬に10連勝を許した間に、美浦には現役ダービージョッキーが1人もいなくなった。調教師としてダービー制覇を経験している現役ダービートレーナーも、ミスターシービー(83年)とウィナーズサークル(89年)で2勝した松山康師ただ1人。松山康師は「東京2400メートルはごまかしが利かない。平均したスピードとスタミナが必要で、マイラーじゃ厳しい。あとは運だね。この天気(土曜まで雨予報)を味方につけられるかどうか」とポイントを挙げた上で「美浦は若い調教師も増えてきたし、美浦全体が盛り上がるような結果を出してほしい」とこちらも関東馬にエールを送った。ダービーに出走する関東馬6頭、美浦所属の騎手7人は、美浦全体の期待と声援を受けて“復権”に挑む。

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2008年5月30日のニュース