全肢フル回転!!シェイディ/中山記念

[ 2008年2月28日 06:00 ]

ポリトラックをツルガオカハヤテ(右)と併せて追い切るエアシェイディ

 7歳馬が驚異の進化を遂げた。「第82回中山記念」(3月2日)の追い切りでエアシェイディは“4WD”走法で圧巻の動きを披露。AJC杯に続く重賞連覇へ前進した。

 高性能の走りにタイトルホースの風格が加わった。生まれ変わったエアシェイディの動きは軽快そのものだ。ポリトラックコースでツルガオカハヤテ(8歳オープン)を2馬身追走。四肢の回転力に勝るシェイディが楽な手応えのままグングンと差を詰めていく。直線で内に潜り込んで馬体を併せてからも手綱は抑えられたまま。オープン勝ちのあるパートナーを子供扱いするように半馬身先着した。「このくらいは普通に走れる馬なんだ」。見守った伊藤正師も納得の表情を見せた。
 前走・AJC杯で重賞初制覇。実に15度目の挑戦でタイトルをものにした。「以前と比べると走る際の頭の位置が変わってきた」と変身を強調する伊藤正師。「前脚だけに力がかかる前輪駆動で走っていたが、トモ(後肢)にもうまく力が伝わるようになった。4輪駆動でバランスがよくなった」。全身を使うことで走る際の頭の位置も下がり、重心の低いフォームで能力を楽に無駄なく発揮できるようになった。
 精神面の成長も大きい。「負けていた頃はパドックでも“どうしていいか分からない”感じで馬がおどおどしていた。今は実に堂々としている。馬に自信が芽生えてきた」と同師は分析。重賞初Vまでに2着が6回と決して力がなかったわけではない。走法と気持ちの変化で「もともと持っているものを出し切れるようになった」と充実一途の愛馬に目を細める。
 すでに7歳を迎えたが「これからまだまだ強くなる」と師。「馬も勝つことで自信をつけていく。一気に体重が減るので遠征競馬は控えていたが、これからはチャレンジさせていこうと思う」と夢も広がる。もう善戦マンとは呼ばせない。華麗なモデルチェンジを遂げた4WDシェイディが、開幕中山の緑のじゅうたんを颯爽(さっそう)と駆け抜ける。

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2008年2月28日のニュース