地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子

石原さとみが見せた“瞬時にキャラクターの背景を見抜く力”

[ 2016年11月2日 10:30 ]

石原さとみ

 石原さとみ主演のドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」(水曜後10・00)が好調だ。初回から4週連続で視聴率2ケタ台をキープ。人気シリーズドラマ「相棒」「ドクターX」に続く数字を叩き出している。

 ドラマの撮影に入る前、石原は役作りのために、スポニチの校閲セクションで仕事を体験している。真摯(しんし)に取り組む姿勢を見て、密かに成功を祈っていただけに、好スタートに胸をなで下ろしている。

 あの姿は印象的だった。「効率よく間違いを見つけるコツはあるんですか?」「ガヤガヤした編集部の中で集中して校閲するのは大変じゃないですか?」などと矢継ぎ早に質問を飛ばしていた。

 普段は黙々と赤鉛筆を動かしている校閲担当者は、最初はちょっと恥ずかしそうにしていたが、すぐに仕事モードになった。「まずはざっと読むんです。この仕事を続けていると間違いがあれば何となく違和感を感じるようになるんです。そしたらもう1度丹念に読んで間違いを見つけていきます」「ガヤガヤしてても、締め切り時間が迫ってくると自然と集中するようになりますね」。

 石原は大きくうなずいて聞いていた。

 後日、取材で再会した時、短時間で校閲の仕事について的確に分析していたことに驚いた。

 「新聞社の校閲は締め切りがその日のうちなので、迅速さと正確さが求められるけれど、私が演じる河野悦子は出版社の校閲部門で単行本などを担当するので、じっくり腰をすえてチェックするケースの方が多い。校閲という仕事にもさまざまなバリエーションがあるのを知ることができました。いい勉強になりました」。

 キャラクターになりきる役者という稼業。中でも、石原はこの世代の人気トップ女優。瞬時にキャラクターの背景を見抜く力が優れているのだろう。その実力を間近で感じた。

 今回のドラマは「ショムニ」「ハケンの品格」に代表される仕事系ヒロインもの。単に男勝りなだけではなく、キュートな女性らしさも兼ね備えているのがヒロイン河野悦子の新しさ。回を追うにつれて、どんなキャラクターを見せていくのか、注目したい。(記者コラム)

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