ファーストサマーウイカが語る「時すでにおスシ!?」撮影秘話 永作博美、松山ケンイチは「博学」

[ 2026年4月22日 09:00 ]

「時すでにおスシ!?」から(C)TBS
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 俳優・永作博美(55)が主演を務めるTBS系火曜ドラマ「時すでにおスシ!?」(火曜後10・00)が好評を博している。子育てを卒業した女性たちからの共感を呼ぶ本作で、俳優のファーストサマーウイカ(35)が、主人公のクラスメート役を好演している。

 同作は、夫を不慮の事故で亡くし一人息子のために生きてきた永作演じる主人公・待山みなとが、息子の就職で訪れた自分時間を使って3カ月で職人になれる「鮨(すし)アカデミー」の門を叩き、第二の人生を歩み出す完全オリジナルの人生応援ドラマ。脚本は「マイダイアリー」(2024年、テレビ朝日系)で向田邦子賞を史上最年少受賞した兵藤るり氏によるオリジナル。

 ファーストサマーウイカが演じているのは、みなとが通う鮨アカデミーのクラスメイト・柿木胡桃。大手コンサルティング企業で働いていたが、鮨職人へのキャリアチェンジを図るため鮨を習いにきたパワフルな女性。そんな人物を演じる上での工夫や、撮影秘話などを語った。

――出演オファーを受けた際の印象と、脚本やタイトルから感じた本作の魅力を教えてください。

「鮨アカデミーをテーマにした作品は、私の記憶の中ではドラマの題材として見たことがなくて。大人が通う学校、“学園もの”も珍しいなと思い、すごく面白そうだなと感じました。最初にお話をいただいた時はこの『時すでにおスシ!?』というタイトルではなかったのですが、改めてこのタイトルになって、人生の再スタートやセカンドキャリアといったメッセージが込められているのがすごく素敵だなと。誰かの力になれるようなドラマになりそうだなと思いました。」

――第2話放送後、胡桃の言動について視聴者の間でもいろいろな受け止め方があったように感じます。胡桃というキャラクターをどのように捉え、演じていますか?

「この物語にはいわゆる“悪い人”がいないんですよね。ただ、立場やこれまでの経験によって、物の見方や考え方が変わってくる。いろいろな人生を歩んできた人たちが集まっているので、例えばアジを使った料理の試験一つ取っても、アプローチや目的が違い、すれ違いが生まれる。結局は、“考え方の違い”なんですよね。

視聴者の方もそれぞれ違う人生を歩んでいるので、「胡桃の気持ちが分かる」と思う人もいれば、大江戸先生側に立って見る人や、どちらでもない人もいると思います。「こういう人っているよな」と同じような経験がある人はモヤモヤするだろうし、それを乗り越えてきた人は「こういう時期もあったよね」と、少し余裕を持って見られるかもしれない。実は個人的にも胡桃に近い考え方ではあるので、言い方や表現は考えつつも、根本的な感覚はすごく近いです。

一方で、大江戸先生に対しても「それ、胡桃本人に言ってあげればよかったのに」と感じる部分もあって。ツッコミどころはお互いにあると思うのですが、だからこそ、いろいろな方がそれぞれの立場で親近感を持てる物語になっているように思います。」

――第3話では、みなとたちをきっかけに、胡桃が無意識に大江戸先生に対して、ファイティングポーズを取っていることに気づきました。

「ファイティングポーズって、戦闘の意思を示すものだと思うのですが、ボクシングとかだと"ガード”でもありますよね。顎や頭を守るように身を固める感じ。私は胡桃のファイティングポーズにはそんな印象も持ちました。胡桃は、戦闘体制を取るのと同時に、無意識に自分を守っている部分があったのではないかと。言葉や気迫で武装しているようでいて、実はガードしている状態もあったのかなと感じています。攻撃は最大の防御でもあるし。」

――その“守る”という視点、興味深いです。

「私の思う胡桃は、決して器用な人間ではなく、努力根気、勢いと効率重視で、懸命に登り詰めるタイプ。圧倒的努力型の人なので、先手先手で攻撃したい、それが自分を守るすべだったんだと思います。だから、大江戸先生と胡桃は、お互いに頑固な部分があったと思いますし、こういう衝突がなければ気づけなかったことも多かったんだろうなと感じました。

大人になると、新しい環境や仕事の中で初めて出会う価値観に触れて、そこで自分の“無意識”に気づくこともある。同じような価値観の人たちの中にいると、なかなか起きにくいことでもある気がします。年を重ねるほどに、価値観の合わない人は敬遠しがちですよね。流派が違えばそもそも交わることさえ無い。

例えば、ボクシングと柔道の選手が基本戦わないのと同じで、違うスタイル同士は土俵が違うから、出会いもしない。でも今回は、本来交わらなかったはずの人たちがぶつかった、総合格闘技の場が、鮨アカデミーだった(笑)。その環境だからこそ、お互いに気づきが生まれたんだと思います。どちらが正しいという話ではなくて、その中で自分の発見があったことを、ちゃんと受け止められる人たちだったというか。敵、味方という単純な構図ではない、というのが伝わるといいなと思います。

物語としては、みなとと大江戸先生が軸なので、どうしてもその二人の視点で見がちなのですが、それもすごくよく分かります。ただ、胡桃の視点で見ると、大江戸先生の言動もまた違って見える部分はあると思うので(笑)。勧善懲悪ではなくて、どの立場で見るかによって印象が変わる作品だと思うので、胡桃に対していろいろな受け止め方があるのもすごく分かりますし、見方によっては胡桃のほうが筋が通っていると感じる部分もあると思います。さまざまな角度から見てもらえたらうれしいです。」

――撮影現場の雰囲気はいかがですか?永作さん、松山さん、立石船男役の佐野史郎さん、森蒼斗役の山時聡真くん、磯田泉美役の有働由美子さんとのエピソードを教えてください。

「皆さん本当にお話好きで、空き時間があればずっとしゃべっています(笑)。永作さんも松山さんもすごく穏やかで博学で、芝居の話だけではなく、「この食べ物がおいしかった」や「こういうところに行った」とか、ほっこりするお話をたくさんしてくださいます。

佐野さんとは音楽の話をしたり、「このドラマの時はね」みたいな、ちょっと懐かしい、これまでのご経験のお話もしてくださって。

山時くんはゲラで、みんなのアドリブに笑いをこらえていることが多くて(笑)、すごく明るい方ですね。有働さんはお芝居が初めてということで、専門用語や、ドラマの撮影現場でしか起きないこと、使うもの一つ一つに「これは何ですか?」と興味を持たれていて、ジャーナリズム精神を感じました。その上で、ご自身のお芝居やセリフ、キャラクターにもすごく真摯に向き合っていらっしゃって、やっぱりすごい方だなと。泉美にも通じるバイタリティーがあって、“有働”という名前の漢字の意味通り、内側からあふれている感じがします。

皆さんそれぞれ、役柄と通じる部分もありつつ、エネルギッシュで明るく、周りの空気も明るくしてくれる方ばかりなので、とても居心地の良い撮影現場です。」


――第3話には、お笑いコンビ・かけおちの青木マッチョさんが夫・仁役としてゲスト出演されていましたね。

「物静かな印象の方で、仁という役にも合っているなと感じました。劇中で、胡桃が仁の言葉を少し冷たく感じてしまうシーンがありましたが、ご本人はとても優しい方。カメラに映らない場面でもお芝居に付き合ってくださる時、扉をバタンと閉めるのではなく、音が出ないようにそっと閉めてくださったりして。ただ、扉が閉まるのを目線で追う必要があったので、ゆっくり閉めると間が変わってしまうということで、結果的にそれはNGにはなってしまったのですが、その時「普段から強く扉を閉めることがない」とおっしゃっていて。丁寧な生活がそのまま出ているんだなと感じて、役とのギャップも含めて印象的でした。」

――鮨アカデミーの生徒として所作指導も受けられていますが、実際にやってみていかがですか?

「胡桃はスピードやタイパ(タイムパフォーマンス=時間対効果)を重視するタイプで、動きは速いのですが、その分ちょっと雑になってしまうところがあって。そういう部分はもちろんお芝居なんですが、実際練習しているときも、良い環境をキープすることや、きれいに作り続けることの難しさを実感しました。包丁さばきは普段からやっている分そこまで苦ではないのですが、巻きものの細巻や太巻は、性格や精神状態がすごく出るなと感じました。やっていて面白いですね。」


――最後に視聴者の方へメッセージをお願いします。

「第3話は、第2話からの流れで、胡桃と大江戸先生が、お互いの人生が少しずつ混じり合い、ぶつかりながらも和解していく展開となりました。他のキャラクターたちも今後、みなとや大江戸先生と人生が交錯していくと思います。今回の胡桃のエピソードは、その一つ目のきっかけのような回だったのかなと。これからも新しい登場人物が出てくるかと思いますが、いわゆる“嫌な感じ”の人は出てこない作品だと思いますので、ザワザワしていた方もこの先安心してご覧いただけたらうれしいです。」

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