間もなく最終回「ばけばけ」髙石あかり 演出の松岡一史さん「運命の出会いだった」

[ 2026年3月23日 08:30 ]

連続テレビ小説「ばけばけ」でトキを演じる髙石あかり(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK連続テレビ小説「ばけばけ」が3月27日に最終回を迎える。大きなヤマ場を前に、ここまで主人公・トキを演じて来た髙石あかり(23)の役者としての魅力を、改めて演出の松岡一史さんに尋ねた。

 ──なぜ髙石さんがトキ役だったのでしょうか?
 「最終オーディションの時、髙石さんに鬘をつけ着物を着てもらったんです。僕らはスタジオで待っていたのですが、髙石さんが扉を開けて入ってきた瞬間、こんなに似合うんだ!と驚きました。髙石さんは現代劇の等身大のキャラクターを演じたら右に出る人はいないというイメージだったので、ギャップが大きかったです。雷に打たれたような感じで、お芝居が始まる前から、この人しかいない!と思いました。運命の出会いでした」

 ──芝居はどうでしたか?
 「楽しそうにお芝居をしているのが印象的でした。アドリブをちゃんと打ち返す。相手の考えに瞬時に脊髄で反応する。凄い!と思いました。トキは没落した武家の家族という暗い側面がある中で、芯があって明るく、応援したくなるようなキャラクターじゃないといけない。僕らが望むキャラクターと彼女が合致していました」

 ──撮影中はどんな様子でしたか?
 「自分自身としてその場に存在してくれていました。頭で考えるのではなく腹に落とし込んでフラットな状態でお芝居をしているから、リアリティーを感じる。彼女はどんな作品でも、例えば殺し屋の役でも何でも、ちゃんとチューニングして自分自身として存在することを続けて来たのではないかと思います」

 ──演出で心がけたことは?
 「あまり注文したことはありません。この作品は時代劇ですが、窮屈さが出るといけないので、所作にこだわらず、自由にやってほしいと思っていました。心がけたのは、あまり細かいことを言わないこと。『ちょっと現代的になってるよ』と言ったのはトキがスキップではしゃいだ時くらいです。彼女に全幅の信頼を置いていました」

 ──役者として優れていると感じた点は?
 「ちゃんと相手とキャッチボールができることに尽きます。相手の言葉をしっかり受け止め、しっかり返す。それを千回でも二千回でも楽しみながら続けられる。そこが1番の魅力だと思います。僕らは役者さんたちに負担を掛けたくないので、なるべくテイクを重ねないようにしています。でも、彼女はこちらが止めなければ永遠に続けるのではないかというくらいのテンションでやってくれました。例えば錦織との出会いのシーンでは、吉沢亮さんとの掛け合いを続けてくれたのですが、それが面白くて、ずっと見ていたくて、いつカットを掛ければいいのか悩んだほどでした」

 ──特に印象に残る髙石さんの芝居は?
 「『白鳥倶楽部』から出て行ったサワをトキが追いかけて話すシーンです。トキはヘブンと結婚してシンデレラになる。サワは川の向こう側に住んでいる。どう寄り添ったらいいのか分からない。親友と隔たってしまった悲しみから、なんとも言えない表情をする。撮影しながら、この人はなんという顔をするんだ!と鳥肌が立ちました。編集で、あえて、聞いているトキを長めに使うようにしました。あれはドラマチックな瞬間の表情ではなく、日常の瞬間の表情ですが、頭で考えるのではなく脊髄で反応するからこそできる表情だと思います」

 ──いま髙石さんに伝えたいことは?
 「感謝しかありません。最終オーディションでスタジオの扉が開いた瞬間から運命の出会いだと思っていました。この作品は外国人の妻の物語なので、髙石さんが想像していた以上に苦労があったと思います。現場で僕らはトミー・バストウさんとも普通に日本語でお芝居の話をしていたのですが、髙石さんはその話をバストウさんが本当に理解しているか気に掛けて丁寧に説明し直したりもしてくれていました。そのフォローもありがたかった。1年間本当にありがとうございました」

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。

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