映画館でスマホ!? 日本初・観客一体ストーリーづくり 大人気「ヒプムビ」に迫る

[ 2025年10月4日 05:30 ]

映画「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」上映前に案内される投票の方法
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 映画館で上映中にスマートフォンを使って楽しむことができる、日本初の観客参加型映画が注目される。

 作品は「ヒプムビ」の愛称で知られる映画「ヒプノシスマイク ―Division Rap Battle―」。劇中のラップバトルの勝敗を観客がスマホ専用アプリで投票し、結果によりストーリーが分岐。視聴者が選択肢を選んで物語を進める「インタラクティブ映画」と呼ばれる試みが、今後映画界にどんな影響を与えていくか。映像製作したポリゴン・ピクチュアズのアニメーションプロデューサー、中岡亮氏(42)は「映画館に足を運ぶ新たな価値につながるのでは」と感じている。

 上映前にスクリーンに表示されるQRコードを専用アプリで読み込むことで投票参加できる仕組み。ルートは48通り、7つのエンディングが用意された同作では、「推しの優勝が見たい!」などのファン心理も作用しリピーターが続出。細部までこだわったCGアニメーション表現や革新的なシステムが口コミで広がり、新規ファンも取り込んでいる。

 システムの関係で全国85館での上映スタートながら、興行収入は22億円。上映館100館以下での興収20億超えは日本初の快挙だ。ここまで手応えがあれば、今後も作品は増えるのでは。例えば、結ばれる相手を選ぶラブストーリーや、戦う武器を観客が決めて進めるアクションなど…。さまざまな作品への展開も考えられそうだ。

 だが「あくまで飛び道具」だという中岡氏。作品との親和性や、観客が物語にどこまで関与するか――。「自分が選んだストーリーにたどり着けない可能性も含めて劇場体験に落とし込めるかは、作品性も加味して導入の際に見極めないといけない。どんな作品にもマッチするわけではないと思う」と話す。

 それでも、映画の新たな可能性に期待を寄せる。「観客が一体となって結末を作る、という今までにない劇場体験。発展するといいな、と思います」と未来を見据えた。 (小田切 葉月)

 《劇場自体も聖地に! 同じ漢字の地名で“こじつけ聖地”も》
 劇場自体が聖地化しているのも特徴だ。ヒプムビ公式サイトでは劇場ごとの勝敗データを可視化。これにより、好きなディビジョンが優勝できる可能性の高い特定の劇場に足を運ぶ人も。中岡氏は「例えば池袋の映画館でイケブクロが負けるわけにはいかない…、みたいな熱量を感じます」と話す。東京・日本橋の劇場では、作中に登場するオオサカが優勝することが多い。大阪に同じ漢字の地名があることから「“こじつけ聖地”に。ファンの方が自発的にムーブメントを起こして、楽しんでいただけている」と喜んだ。

 《ヒプノシスマイクとは》
 2017年9月に始動した音楽原作キャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク」。イケブクロ、ヨコハマ、シブヤ、シンジュク、オオサカ、ナゴヤと地区の名前がついた6つの「ディビジョン」に分かれてラップバトルを行う。Creepy Nuts、Awichらヒップホップシーンをけん引するアーティストなどが楽曲提供。コミックや舞台などマルチメディアとして展開。

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