誰にも選ばれなかった8年間――「紫陽花は降らない」花谷杏菜が教えてくれた“凡人の底力”

[ 2025年9月23日 15:00 ]

【画像・写真2枚目】地声の低い私が“アイドル声”で歌った日――「紫陽花は降らない」花谷杏菜がこの夏、つかんだ自信(撮影・唐澤ひかり)
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 6人組アイドルグループ「紫陽花は降らない」(通称・あじふらい)の黄色担当・花谷杏菜が、スポニチ東京本社でソロインタビューに応じた。小学4年で抱いた夢を追い続けて8年。数え切れないほどのオーディションに落ちながら、それでも手放さなかった「アイドルになる」という願い。その執念が、いま確かにステージで光を放ち始めている。(「推し面」取材班)

 「この子、すごく綺麗!」。小学4年のある日、スマホで見た白石麻衣の写真に胸を撃たれた。乃木坂46の輝きに衝動を覚えた10歳の少女は、ただまっすぐに夢を抱いた。そしてその日から、花谷杏菜の“誰にも選ばれない”日々が始まった。

 応募したオーディションは数知れず。書類選考すら通らないことがほとんどで、「何十回も落ちた」と振り返る。最初は「次こそ」と気持ちを切り替えていたが、やがて悔しさも痛みも“慣れ”に変わった。「最後の方はもう、意地とプライドでしかなかったと思います」

 高校卒業後は美容の専門学校へ。美容師免許を取得し、就職も内定。「もうこれで一区切り」と心を決めて臨んだオーディションでは、初めて最終審査まで進むも、不合格。それでも夢を断ち切ることはできなかった。

 「学生のうちに、あと1回だけ」。そうして臨んだのが「紫陽花は降らない」のオーディションだった。「本当に最後のチャンス。しがみつくような気持ちでした」

 ついに勝ち取ったデビュー。だが初めて立ったステージで、胸にこみ上げた感情は意外にも“悔しさ”だった。「ファンの方が、自分じゃないメンバーを見ているのがはっきり分かって…。『ここがスタートライン。この景色は絶対に忘れない』と、心に誓いました」

 慣れないライブ、戸惑うイベント。ミスも続き、裏で泣く夜もあった。それでも――。

 「すぐにメンバーが気づいて、声をかけてくれるんです。夜に連絡をくれたり、そっと隣にいてくれたり。誰かを責めるんじゃなくて、『次は頑張ろう』って励まし合える。そこが、このグループの一番の強さだと思います」

 そんな花谷が自分を支える言葉として挙げたのは、人気バレーボールアニメ「ハイキュー!!」の登場人物・田中龍之介のセリフだ。

 「“ところで俺よ 下を向いてる暇はあるのか”っていう言葉なんです。私にはこれといった才能もなくて、ずっとオーディションにも落ち続けてきました。でも、そんな平凡な私が悩んでいる間にも、才能のある人や努力している人は前を向いて進んでいるんだなって。この言葉にいつも前を向かせてもらっています」

 光が当たる場所にたどり着いたのは、特別な才能があったからではない。8年もの間、あきらめなかった心があったから。だから今も日々のステージに立つとき、試練に直面したとき自分に問いかける。「下を向いている暇はあるのか」と。

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