「あんぱん」西村雄正“異例の二刀流”裏側 朝ドラ2作で土佐弁指導&本編出演!万太郎蝶ネクタイで店長役

[ 2025年9月1日 08:15 ]

連続テレビ小説「あんぱん」で土佐ことば指導を担当し、カフェ店長役で本編出演も果たした西村雄正。「らんまん」に続く“二刀流”を成し遂げた…番組公式X(@asadora_nhk)から

 女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)で「土佐ことば指導」を担当している俳優の西村雄正(48)が、銀座のカフェ店長役でドラマ本編にも出演。2023年度前期「らんまん」に続き、スタッフワーク&演技の“二刀流”を成し遂げた。3年間で朝ドラ2作の二刀流は異例。西村に偉業の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズなどのヒット作を放ち続ける中園ミホ氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算112作目。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルに、戦争に翻弄されながら激動の時代を生き抜き、「逆転しない正義」にたどり着く柳井夫妻、のぶと嵩の軌跡を描く。

 西村は高知県土佐市出身で、02年に俳優デビュー。高知を舞台にした映画「県庁おもてなし課」(13年)「あらうんど四万十~カールニカーラン~」(15年、主演)をはじめ、日本テレビ「デスノート」やNHK大河ドラマ「花燃ゆ」などの作品で活躍。16年から現在まで高知県観光特使も務める。

 「県庁おもてなし課」で方言指導に本格初挑戦。同じ高知が舞台となった「らんまん」でも土佐ことば指導を務め、本編にも1話のみ登場。第62回(6月27日)、酒造組合を作りたい「峰屋」の蔵元・槙野綾(佐久間由衣)を「蔵は男の仕事場じゃき」と追い返した。

 方言指導は台本チェックから始まり、キャストのための練習テープ(音声ファイル)作りやレッスン、収録時の立ち会いなど多岐にわたる。チームに不可欠な縁の下の力持ちだ。

 多忙を極めるため、当初は本編出演オファーを辞退。「序盤や土佐弁のない戦争パートでお話を頂いたんですけど、そこで方言指導の作業を休んでしまうと、後々響いてきますから」。終盤にかけてのカフェ店長役なら、両立は可能と引き受けた。

 「まず、キャストの皆さんの習熟度が上がって、僕の手を離れだしている時期なのと、店長役の台詞は『いらっしゃいませ』ぐらいしかないので、大きな負担にはならないかなと。それに店長役だと、自分がお芝居をしながら、カフェにいる皆さんの土佐弁をチェックすることもできるかなと思いました(笑)。店長がお客さんを見ていても、おかしくはないですからね。実際、注文をメモするといった演技をしながら、方言の気になる点を書いたりもしていました。ここぞというタイミングで、これぞという役を頂けて、本当にありがたかったですね」

 柳井嵩(北村匠海)と登美子(松嶋菜々子)がカフェを訪れる第87回(7月29日)で初登場。嵩&いせたくや(大森元貴)や嵩&手嶌治虫(眞栄田郷敦)の邂逅、「素人のど自慢」に挑む朝田メイコ(原菜乃華)の「東京ブギウギ」練習、嵩がホステスたちに囲まれる姿を目撃した柳井のぶ(今田美桜)の嫉妬など、のぶ&嵩らの喜怒哀楽を見守ってきた。店長自身は「手のひらを太陽に」を歌う白鳥玉恵(久保史緒里)のファンで、サインをもらう一幕もあった。

 「一度、メイコの土佐弁に引っ張られて、店長の標準語が変なイントネーションになってしまって。絶対につられない自信はあったんですけど。原さんや北村さんにツッコまれましたね(笑)。朝田3姉妹が上京して、特に出ずっぱりの今田さんは土佐弁と標準語が入り混じる次のステージに。さらに難しいことに挑戦されていますが、土佐弁の濃淡や標準語との切り替えも非常に自然で、上手です」

 インパクト大のマッシュルームカットは、メイク部・田畑千奈味氏の遊び心。かつらではなく地毛を伸ばし、撮影の度にスタイリングした。

 「思ったより出番が多かったので、キノコが巨大化していきました(笑)。ある時、所作指導の藤間(貴雅)先生が『(画家・彫刻家の)藤田嗣治に似ている』とおっしゃって。それ以来、藤田嗣治さんをイメージしています」

 店長の蝶ネクタイ(4種類)は「らんまん」の主人公・槙野万太郎(神木隆之介)が着用していたもの。「らんまん」でも衣装部だった澤谷良氏と上野友聖氏が「万ちゃんの蝶ネクタイをニッシー(西村の愛称)に」と送り出してくれ、仲間の粋な計らいに「凄くうれしかったです」と感激した。

 朝ドラ2作で方言指導&本編出演を果たしたのは、直近だと「ちゅらさん」(01年度前期)「ちむどんどん」(22年度前期)のマルチタレント・藤木勇人。3年間で2作となると珍しく、西村は「我ながら、この短いインターバルでよくやったなと思います」と胸を張った。

 方言テープ(音声ファイル)作りも「らんまん」から深化した。

 朝田結太郎役の加瀬亮から“ゆっくりしゃべる”バージョンも欲しいと依頼され「作業量は多くなりますけど、確かに演者さんにとっては、その方が助かりますよね。スロー版は今回、初めて作りました。子役の方には低い声よりも子どもらしい高い声で吹き込んだり、キャストの皆さんそれぞれの台詞回しを真似してみたり。その人の個性に合った音声ファイルを作った方が覚えやすくなって、その上でレッスンに移行しました」。指導はエキストラにまで行ったほど。「あんぱん」は「らんまん」より登場人物が多く、音声ファイルを作製したのは約130人。個々に複数のファイルがあり、最多は今田の約820件。8月22日にクランクアップを迎え、総ファイル数は3165件に達した。

 「たまるかー!」「たっすいがー(の嵩)」「ほいたらね!」など、土佐弁が作品の大きな魅力の一つになった「あんぱん」。その屋台骨を西村が支えた。

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