南果歩 自他共に認める健康オタク アートや演劇、映画からの刺激も心の健康に

[ 2025年8月24日 05:00 ]

ニューヨークでたくさんの作品を鑑賞した南果歩(撮影・小海途 良幹)
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 【だから元気!】著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。今回は女優の南果歩さん(61)です。9年前にステージ1の乳がんを宣告された南さんは、自他共に認める健康オタク。いつでも動けるように筋トレを欠かしません。健やかな心を保つためにアートや演劇、映画に足を運ぶそう。受けた刺激が生きる力になっているといいます。(構成・西村 綾乃)

 朝、目が覚めたら「朝食は何を食べたい?」と自分に聞きます。今日はヨーグルト、フルーツとコーヒー。これを食べなきゃというものはなくて、その日の気分に従うのが今の私のルールです。

 2016年2月。何げなく受診した人間ドックで右胸に6ミリの悪性腫瘍が見つかりました。医師に「ステージ1の乳がんです」と宣告された時は、心の中で「まさか、私が」とつぶやきました。当時、私は52歳。病巣は乳房温存手術で切除しましたが、その後の投薬や抗がん剤治療で血圧の変化など不調が続きました。主治医やセカンドオピニオンの医師と相談し抗がん剤をストップした後は、がん細胞が好む糖質を控える、体を冷やさないなど、病気を寄せつけない生活を心がけています。

 ヨガ、ピラティス、筋力トレーニングなど、体を動かすことも大切。予約をして行こう!と決めるのですが、当日は「どうしてキャンセルしなかったのかな」と後悔します。でもレッスンは24時間中の1時間じゃないかと気を取り直して行くと、帰りは「自分に勝った!」と前向きな気持ちになれます。がん宣告から来年で10年。今では自他共に認める健康オタクです。

 実は長男を出産した31歳の時にも死を覚悟したことがありました。妊娠時に妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)と診断された私は、体が持たないと予定日の1カ月前に緊急帝王切開をすることに。わずか2110グラムで生まれた息子はすぐに保育器へ。私もICU(集中治療室)に直行しました。自分の命がギリギリだと感じたICUでの10日間を経て息子と再会した時は、この子が自立するまで責任を持って育てようと決意しました。そんな息子も最愛の人と結婚。2024年に子供が生まれ父親になりました。

 今年の5月、息子夫婦が暮らしている米ニューヨークに1カ月間滞在しました。ニューヨークは20代の時に初めて一人旅をした青春が詰まった場所。オフブロードウェーで「ファンタスティックス」を見たこと。特等席で「オペラ座の怪人」の初演を鑑賞し、劇場が燃え上がるような熱気を感じたこと。素晴らしい経験は演劇人としての血肉になりました。

 今回の訪問では、月曜から金曜までは英会話の学校に通学。同じクラスの子にバーベキューに誘われたりして、学生気分を味わいました。気になっていたダンサーのレッスンも受講。彫刻家の友達と博物館を訪れたり、大好きなものにどっぷり浸り充電しました。

 ブロードウェーでは韓国発のミュージカル「メイビー・ハッピー・エンディング」の素晴らしさに感激。後日、第78回トニー賞で6部門を受賞したと聞いた時は、やっぱり!とうれしくなりました。

 アートや演劇は私にとって栄養。「凄い!」と圧倒され、心が揺さぶられることで好奇心が刺激される。それは生きる力にもつながっています。

 ≪映画「ルール・オブ・リビング」 主演の作品をアピール 自分見つめ直す機会≫映画「ルール・オブ・リビング~“わたし”の生き方・再起動~」(監督グレッグ・デール、9月19日公開)では、米国人観光客との共同生活を通して自分を見つめ直す主人公を演じた。「自分が何が好きで、本当はどんな人間なのか見つめ直す機会になれば」と作品をアピールした。9月末からは、舞台「ハハキのアミュレット」で、同族経営の後継者問題で揺れ動く家族の一員を演じる。「いつも初日は舞台袖でどうして出演依頼を受けちゃったんだろうと後悔する。それぐらい舞台は怖いけれど、生きていることを感じる場所でもあるんです」と声を弾ませた。9月29日から岐阜県可児市など全国8カ所で上演。東京公演は10月9~15日、吉祥寺シアターで。

 ◇南 果歩(みなみ・かほ)1964年(昭39)1月20日生まれ、兵庫県出身の61歳。84年に映画で主演デビュー。映画「夢見通りの人々」と「蛍」で89年度ブルーリボン賞助演女優賞受賞。著書にエッセー「乙女オバさん」など。出演した映画「長崎―閃光の影で―」が公開中。

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