「あんぱん」登美子人気!松嶋菜々子が語る裏側「そよ風のような」難役も円熟味増す“視聴者に委ねる”演技

[ 2025年7月29日 08:15 ]

「あんぱん」登美子役・松嶋菜々子インタビュー(1)

連続テレビ小説「あんぱん」で6年ぶり3回目の朝ドラ出演、愛息を翻弄してしまう登美子役が話題の松嶋菜々子(C)NHK
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 女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は29日、第87回が放送され、女優の松嶋菜々子(51)が圧倒的な存在感を示してきた登美子が本格再登場を果たした。序盤こそ“ヒール役”になったものの、神出鬼没な人気キャラクターに。好演が反響を呼ぶ松嶋に、撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズなどのヒット作を放ち続ける中園ミホ氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算112作目。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦を描く。

 登美子の登場は、愛息・柳井嵩(北村匠海)の出征式に駆けつけ「死んだら駄目よ。生きるのよ!」と涙ながらに叫んだ第50回(6月6日)以来。嵩の復員を祝福しようと突如、若松のぶ(今田美桜)の部屋を訪問。「漫画なんて大の男がやることじゃないでしょう」「才能があるなんて、嵩をそそのかすのはやめてちょうだい」などとクギを刺し、嵩はまたもタジタジになった。

 嵩と千尋(中沢元紀)の美しく利発な母。文化的な教養も豊かだが、勝ち気な一面も。兄弟が幼い頃に最愛の夫・清(二宮和也)を亡くし、奔放な振る舞いが愛息を翻弄してしまう。

 頼りない息子の尻を叩く姿は、21年ぶりの大河ドラマ出演となった2023年「どうする家康」で好演した主人公・松平元康(のちの徳川家康)(松本潤)の母・於大の方が重なる。本人は「於大さんの叱咤激励は、松平家を継ぐ息子が戦国の世を生き抜くためのもの。それに対して登美子さんは、もちろん息子への愛情はありますが、演じていると、あくまで自分が軸の人なのでは、と感じます。同じ息子をけしかけるにしても、そこが違うと思いますね」と解釈。

 「息子に反発されたことに対して、心の底から怒りが湧き上がっているのかというと、そうでもない。息子を完全にコントロールしたいのかといえば、意外とあっさり引いたりもしますよね」。思えば第49回(6月5日)、恩師・座間晴斗(山寺宏一)も同席した銀座のカフェ。登美子から「あなたみたいなのが一番兵隊に向いてない」と断言されると、嵩は「もういい。母さんはいつもそうだ。自分のことばっかり。言いたいこと言ってそれで終わりだ。あとは先生と2人で話すから」。登美子は「分かったわ。私も忙しいのよ」と立ち去った。

 「100%熱いわけではないという…。嵩に対しても、世の中に対しても、自分の思い通りにならないこともあると、どこか一歩引いたような冷めた部分がありますね。やはり、清さんを早くに亡くしたことが大きくて、心にポッカリと空いた穴を埋めてくれる愛情を求めながら、そよ風のように世間を渡り歩いているような人という印象です」。つかみどころのない人物像だが、演技自体に迷いはない。

 「私の場合、最初に台本を読んだファーストインプレッションで役の方向性がだいたい決まります。今回も中園さんの脚本が素晴らしいので書かれていることを素直に受け取って、衣装を着て、メイクをすれば、それほど肉づけしなくても、自然と出来上がります。あとは現場で監督から頂く言葉や共演の方々との呼吸によって、そのシーンそのシーンで振り幅を変えていきます。そして、視聴者の方々が役に肉づけしてくださるので、こういうキャラクターだと私がお芝居で主張するよりも皆さんの想像力や受け取り方に委ねて、役を渡すことを大切にしています」

 実際、幼少の嵩を置き去りにして御免与町を去る序盤も、視聴者の感情移入を誘う好演のあまり、登美子が“ヒール役”になったが、SNS上には「息子への愛情ゆえ」「夫を亡くした当時の女性が生きる術」などの考察。出征式の“母の叫び”には一転、拍手喝采が巻き起こった。

 「その場その場での、さじ加減が難しい登美子さんですが、今回も実は、凄くシンプルに物事と向き合っています」

 円熟味を増した、しなやかな演技の一端に触れた気がした。

 =インタビュー(2)に続く=

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