落語家・月亭方正 2年前に福岡で「ゴリゴリに滑った」以来、封印した立川談志の「金玉医者」への愛語る

[ 2025年7月29日 06:00 ]

第19回博多・天神落語まつりをPRする月亭方正
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 10月31日から4日間、福岡市などで「六代目三遊亭円楽名誉プロデュース 第19回博多・天神落語まつり」が開催される。各協会の枠を超え、笑福亭鶴瓶桂文枝、立川志の輔、三遊亭小遊三、柳家さん喬ら40人以上の人気落語家が4会場で24公演を行う。出演する月亭方正が、過去にあった福岡の思い出を熱く語った。

 「東西のスーパースターが集まる落語会。めちゃくちゃ意気込んでいます。一昨年(23年)“金玉医者”でゴリゴリに滑った。今年は本当にウケたいです」と雪辱を誓う。

 「金玉医者」はタイトルの通り、アレを見せて病気を治療する風変わりな医者の噺だ。晩年の立川談志が好んでやった。長女の松岡弓子さんに呼ばれた落語会のトークショーで弟子が演じる“談志”へ「なにかお願いしなよ」と弓子さんに振られ、思い切って「金玉医者をください」と懇願。「やりなよ」とあっさりと許された。

 落語のネタは口伝。“持っている”師匠へ頭を下げ、目の前で演じてもらう。それを目と耳で覚え、身につける。最後に師匠に見せて客前でやっていいかの許可をもらう。ただ、談志はすでに他界。立川流でもかけることさえ恐れ多いというネタだったこともあり、YouTubeで独学。持ちネタに加えることができたという。

 「金玉医者を持っている」と言うと、周囲からは驚きの声が上がるが、娘さんの「許可」があると説明すると「ならば仕方ない」となる。談志の弟子である立川志の輔には初対面で「稽古をつけてください」と申し込んだこともある。「僕、やっぱアホのふりして、キレられてもええと思っています。もし、了承が得られたら、こんな大金星はない」。落語界にある「協会の壁」もこの男は平気な顔で乗り越え、自分自身を成長させていく。

 「滑ることって最近はほとんどない」と言う一方「金玉医者」はあれ以来、かけていない。「ちょっと、今は置いています。僕が悪いんです。あんな素晴らしいネタを、まだ不慣れでやってしまった。でも、本当に好きなんです」。滑り倒した福岡の夜、一人でホテルに戻るとベッドに突っ伏した。「その日は打ち上げにも参加できませんでした」と極限までふさぎこんだ。

 「あ、やっちゃった。どうすればいいんやとなりますけど、勉強になるのはそいう時ですね」。2年前の福岡での経験は、落語家・月亭方正にとって大きな糧となっている。

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