フジHD完勝 ダルトン“自滅” 株主総会で“物言う株主”の取締役案否決 怒号飛ぶ中4時間半の長丁場

[ 2025年6月26日 04:15 ]

フジテレビ社屋
Photo By スポニチ

 フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)は25日、東京・有明アリーナで定時株主総会を開いた。元タレント中居正広氏(52)による「性暴力」への不適切な対応から生じた経営の混乱を立て直すため、新社長となった清水賢治氏ら計11人が取締役に就くとするフジHD側の新体制が承認された。対立する大株主で米投資ファンドの「ダルトン・インベストメンツ」が提案していた12人の役員案は否決され、フジの思い通りの形となる完全勝利で決着した。

 雨が降りしきる中、昨年の20倍となる約3300人の株主が会場に列をなした。冒頭で金光修前社長は「一連の事案により、皆さまにご迷惑とご心配をおかけした」として謝罪。株主からは「誠意が伝わらない!」と怒号も飛んだ。取締役の適任性や今後の会社経営に関する質問が相次ぎ、議長を務めた金光氏への不信任動議が出る場面も。株主総会としては異例の約4時間半に及ぶ長丁場となった。

 新取締役は清水氏を除く10人が新任。ファミリーマート前社長の沢田貴司氏ら社外取締役が過半の6人となった。女性取締役の比率も4割超に高め、40代が2人入るなど刷新を前面に出した。総会では、特定の人物に権限が集中しないよう、日枝久氏が務めていた相談役制度を廃止する議案なども可決された。

 ダルトン側が提案していた金融大手SBIHD北尾吉孝会長兼社長、STARTO ENTERTAINMENTの福田淳社長ら12人の取締役候補案は否決された。総会に向けてフジ側とダルトン側の双方が株主の委任状を集める多数派工作、通称「プロキシーファイト」を展開していたが、ふたを開けばフジの完勝。一部投資家は「ダルトンの自滅だった」と話している。

 ダルトンは4月に北尾氏を筆頭とした取締役候補を提案。しかし日本国籍を持たない候補が含まれており、放送法に反する恐れがあるとの指摘を受けて差し替えを余儀なくされた。新たな候補も会社法の規定上問題があることを指摘されるなど、お粗末なものだった。北尾氏は会見を行ったがフジの再建に向けた具体的な改革案を示すことができず、株主の期待に応えることができなかった。

 一方で、その間に金光氏と清水氏は着々と総会に向けた準備を進めていた。大株主や個人投資家などに水面下で接触し、委任状を獲得。フジの港浩一前社長らを提訴することを決め、中居氏の問題に関わった職員らを処分するなど“再生”を強調した。

 清水氏は総会後、フジ本社で取材に応じ、役員人事について「全員が8割超の信任を頂いたと聞いている」と完全勝利をアピール。ただ現在は、株主代表訴訟で233億円の損害賠償請求をされており、訴訟の真っただ中。一連の問題で離れたスポンサーの多くも戻ってきていない。株主総会という一つの大きなヤマ場は乗り越えたが、今後の経営の課題は山積みだ。

 【株主総会の主なやりとり】
 ――パワハラタレントがいた場合、今後どのように対応するか?
 清水氏「いかなるヒットをつくれるタレントだろうが、ハラスメントが発生する可能性があるのならば厳正に対処する」

 ――取締役の退職にあたって報酬を出すことはありえない。どのように金銭的な責任を果たされるのか?
 清水氏「法律の専門家などに相談したところ、退職金の支払いを止めることに関する合法的な理由が見当たらないという見解を頂いている」

 ――日枝氏の退職金はいくらか?
 清水氏「個別の退職金の開示はしていない」

 ――日枝氏とは連絡を取っているのか?
 清水氏「本日まで取締役としての会話はしたが、今後連絡を取り合う予定はない。新しい人事案は日枝氏の影響力がないと断言できる」

 ――国分太一によるフジ関係者への人権侵害行為はあったのか?
 清水氏「現在、人権侵害もしくはコンプラ違反の事実は認識していない」

 ≪清水社長「日枝氏に責任ある」≫
 清水新社長は総会後の取締役会で、新体制を正式に発足させた。取締役会後に会見し「経営体制は完全に刷新され、改革アクションプランを着実に実行するための環境が整った」と胸を張った。

 「現体制はどこまで続けるのか?」との質問に「暫定政権だとかを言っている余裕はない」と回答。「1カ月単位で会社を変えていかないと今の状況を乗り切ることはできない」と話した。

 また40年以上にわたって取締役を務め、今回退任が決まった日枝氏についてコメントを求められると「フジテレビが落ちてきたこと、さまざまな問題が起こってしまったこと、やはり何らかの責任がある」と指摘。退職金が支払われるといい「今の段階では実行される」とした。

 ≪中居氏関係の質問も≫
 株主からは中居氏に関する質問も飛んだ。「タレントN氏に対して損害賠償は行うのか?」という問いに対し、清水社長は「フジテレビとして一番優先的にやらなければならないことは、再生改革への道をしっかりと進むこと、そして信頼回復を果たし、事業を成長の正常な道に戻すことだと考えている」と説明。その上で「タレントN氏に対しての刑事、民事の責任追及に関しましては、法的専門家の意見なども伺い、検討していくべきことかと思っている」と答えた。

 中居氏は新たに代理人の弁護士を立てて、フジ第三者委員会の調査報告書に対する反論を行っている。今後、どのような動きを見せるか注目される。

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「中居正広」特集記事

芸能の2025年6月26日のニュース