「あんぱん」山寺宏一 やなせ氏へ恩返し&紅白出場に意欲!朝ドラ常連?「怖い」ジャムおじさんに思い新た

[ 2025年6月5日 08:15 ]

「あんぱん」座間晴斗役・山寺宏一インタビュー(2)

連続テレビ小説「あんぱん」で4年ぶり4回目の朝ドラ出演、やなせたかし氏の恩師をモデルにした座間晴斗役を好演した山寺宏一(C)NHK
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 女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は5日、第49回が放送され、柳井嵩(北村匠海)と恩師・座間晴斗の再会が描かれた。声優の山寺宏一(63)が座間役を好演。アニメ「それいけ!アンパンマン」で「めいけんチーズ」役などの声を担当している山寺にとっては「声だけでも、何らかの形で関わりたかった」という作者・やなせたかし氏への恩返しも込めた4年ぶり4回目の朝ドラ出演。恩人・やなせ氏や「アンパンマン」への思い、撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズなどのヒット作を放ち続ける中園ミホ氏がオリジナル脚本手掛ける朝ドラ通算112作目。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦を描く。

 山寺は2018年度前期「半分、青い。」、19年度前期「なつぞら」、2021年度前期「おかえりモネ」に続く朝ドラ出演。今回演じた座間は、やなせ氏が通った東京高等工芸学校図案科(現千葉大学工学部)の恩師・杉山豊桔(とよき)さんがモデル。嵩や辛島健太郎(高橋文哉)に“真の自由”を説き、以降の生き方に大きな影響を与えた。

 「やなせ先生と奥さまがモデルになっている作品ですから、声だけの出演でもいいので、何らかの形で関わりたい。ドラマが発表された時から、ずっとそう思ってきましたが、やなせ先生の恩師という役でオファーを頂いて。これは一層、頑張らねばと感じました」

 重要なポジションで念願が叶い「家にあるやなせ先生の本を片っ端から読み返して。新しく買い求めたりしました」。やなせ氏の学生時代をあらためて知り、杉山さんの「諸君は既に紳士である。自由に責任を持って行動してほしい」といった言葉や考え方に感銘。制作スタッフが集めた資料には「杉山先生の文章も残っていて。よりイメージが膨らんでいきました」と念入りに準備を進めた。

 台本が出来上がると「ちょっとトボけたところもあったり。(脚本の)中園さんがますます魅力的な、最高に面白い役に書いてくださって、本当にありがたかったです」と感謝。朝田のぶ(今田美桜)が進んだ女子師範学校の教師・黒井雪子(瀧内公美)との対比も意識。「演じ甲斐とともに、プレッシャーも大きくなりました」と振り返った。

 初登場から絶大なインパクトを残した。

 第26回(5月5日)、教室に入ってくる座間は「おーはー、よっ。はい、着席」と第一声。山寺が1997年から19年間、初代MCを務めたテレビ東京の子ども向けバラエティー「おはスタ」で用いたあいさつを彷彿。SNS上で反響を呼んだ。

 「あれは(第6週担当の)野口(雄大)監督の演出なんです。ファーストシーンからアドリブをかます勇気は、僕にありません(笑)。監督からオーダーを頂いて『やってもいいんですか?ありがとうございます』と(笑)」

 「ワッサワッサワッサリンノ モンチキリンノホイ ヤカンリカンガ…」。第27回(5月6日)、座間が突如、歌い始めた「図案科の歌」。メロディーは今作のオリジナルだが、歌そのものは東京高等工芸学校に実在した。

 呪文のような歌詞はいかようにも解釈可能で、自由の象徴。銀座のカフェで合唱中、軍人からやめるよう注意されても「ふざけた歌?我が校の図案科で歌い継がれた名曲ですよ」「やめん!」と屈しなかった。

 「これだけは譲れないというプライドが表れた、座間らしいシーンだと思ったので、物凄く意気込んで軍人に対抗したら、監督に『ムキになりすぎです。座間先生も大人なんですから』とトーンを抑えるよう演出されました(笑)。歌自体はやりすぎてもいいんですけど、公の場であんなに騒いでいたら、確かに多少、注意されても仕方ないですよね。気負いすぎました(笑)」。山寺の恩人・やなせ氏の恩師役。自然と気合が入った。

 座間の訓示は、座学よりも銀座に行け――。

 「それは“学校なんかつまらないから、銀座で遊べばいい”“いい加減でいい”ということでは決してなく。君たちはこれから美術や芸術という分野で新しいことに挑むわけだから、生きる上で大事なことは社会や仲間から学びなさい、そして自由には責任が伴うんだと。杉山先生が残した文章に“これから時代や価値観が変わる中で、君たちは何かを決意しないといけない”という主旨のことが書かれていて、その“決意”というのは“理屈で考えるのではなく、自分の心の声を聞け”ということなのかなと解釈しました。それは『アンパンマンのマーチ』にもある、そして、このドラマにも繰り返し登場した“なんのために生まれて なにをして生きるのか”につながるのかなと僕なりに感じました」

 近年は“朝ドラの常連”のイメージもあるが「慣れは全くありませんし、自分の出演回が放送される時は怖くて仕方ないんです。ドラマの仕事は忘れた頃に頂くので、いつも芝居の塩梅が分からなくなります。声優が映像作品で演じる時は、声の表現が強すぎて肉体と乖離してしまう恐れが常にあって、今回も不安だったんですけど、共演者やスタッフの皆さんのおかげで、いい雰囲気の中で無事に終えることできました」と安堵。

 「図案科の歌」で大みそか「NHK紅白歌合戦・企画コーナー」への出場も期待。「オンエアで歌詞に字幕(チャカランポー ウツ=鬱な気分よ=、ウツパイパイウツパイパイ=バイバイ=など)が付いたのは、うれしかったですね。あれは、やなせ先生の実際の解釈。今回はメロディーがあるので覚えやすしですし、歌うと本当に嫌な気持ちが吹き飛びますから、是非、視聴者の皆さんの心の友の歌にしていただければ」と呼び掛けた。

 「正義は逆転する。逆転しない正義とは何か」――。「アンパンマン」の真髄、つまり、長きにわたって子どもから大人に愛される理由を山寺も当然、理解していたが、やなせ氏夫妻の人生が紐解かれる今作への出演を機に「『アンパンマンのマーチ』に象徴される、人間にとって大切なこと。生きる喜び、夢、愛と勇気。それが理屈ではなく、より深いところで腑に落ちた感じがします」。アニメ「それいけ!アンパンマン」で19年に初代の増岡弘から受け継いだジャムおじさん役は「やなせ先生の気持ちが直に表れる台詞が多いので、今まで以上にしっかり演じなければと肝に銘じるようになりました」。声優業との相互作用、好循環も明かした。

 =インタビュー(3)に続く=

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