「あんぱん」座間先生・山寺宏一“恩人やなせ氏恩師役”に喜びと重圧“登美子に一目惚れ”「まさか」の裏側
「あんぱん」座間晴斗役・山寺宏一インタビュー(1)
Photo By 提供写真
女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は5日、第49回が放送され、柳井嵩(北村匠海)と恩師・座間晴斗の再会が描かれた。声優の山寺宏一(63)が座間役を好演。アニメ「それいけ!アンパンマン」で「めいけんチーズ」役などの声を担当している山寺にとっては、作者・やなせたかし氏への恩返しも込めた4年ぶり4回目の朝ドラ出演。「声だけの出演でもいいので、何らかの形で関わりたい」と念願が叶った撮影の舞台裏を聞いた。
<※以下、ネタバレ有>
「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズなどのヒット作を放ち続ける中園ミホ氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算112作目。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦を描く。
山寺が演じた座間は、やなせ氏が通った東京高等工芸学校図案科(現千葉大学工学部)の恩師・杉山豊桔(とよき)さんがモデル。
第49回は1941年(昭和16年)12月、嵩にも召集令状が届く。高知に帰る前、母校・東京高等芸術学校へ。図案科の恩師・座間と再会し、戦争について語り合った。
座間は嵩と登美子(松嶋菜々子)との母子再会に同席。「母親だから分かるのよ。あなたみたいなのが、兵隊には一番向いていないって」。気まずい雰囲気になり、登美子が去ると、座間は「おまえのことを嵩って呼ぶ日が来るかもしれんな」「俺の義理の息子になってもいいって意味か」。登美子に一目惚れしたようだったが、3回目の結婚を知ると「柳井、今日は飲みたかったなぁ!」――。一転、コミカルな場面となった。
座間の登場は、嵩の卒業制作完成を見届けた第41回(5月26日)以来。山寺は「嵩くんが卒業した後、僕の出番はないと思っていたので、ビックリしましたし、座間に会いに来てくれるなんて、うれしかったですね」。同時に、座間の軍隊経験が判明し、やなせ氏の著書「ぼくは戦争は大きらい」からの嵩の台詞「僕は、戦争が大っ嫌いです」がある「非常に重要なシーン。大事な役を頂いたと、あらためて実感しました」と身が引き締まった。
一方、「その後、まさか登美子さんに会う展開になるとは、全く予想していませんでした」。第27回(5月6日)でデッサンモデルを食事に誘ったのに続き、惚れっぽい一面も描かれ「信念と自由な精神を持っていて、それでいて、ちょっとトボけたところもあって、憎めない、お茶目な人ですよね。中園さんの脚本が素晴らしいので、座間のことがどんどん好きになっていきました。でも、そうなればなるほど、演じ甲斐とともに、これだけ面白い本を台無しにしてしまったら…というプレッシャーも強くなって。洋画の吹き替えで面白い役を頂いた時も、似たような感情になります。字幕で見たら面白いと分かった上で、敢えて吹き替えるわけですけど、それで作品を台無しにしてしまうのは簡単なんです」と喜びと重圧を明かした。
松嶋とは、15年1月に2夜連続で放送されたフジテレビ「オリエント急行殺人事件」以来10年ぶり2回目の共演。松嶋は乗客の一人、山寺は喫茶店のマスターを演じた。
当時は大勢がいるシーンだったため、面と向かった今回は「松嶋さんのオーラに緊張しました。母子の会話を聞く側で、よかったのかもしれません(笑)。台詞がたくさんあったら、大変なNGを出していたんじゃないでしょうか(笑)」と述懐。
嵩と登美子が“ケンカ別れ”した後は「そっち(一目惚れ)の方向に行くのか(笑)」という展開。実は15分の尺に収まらなかった“師弟のやり取り”があった。
「ドラマというのは監督のカットがかかるまで演じるものですから、今回もアドリブで会話を続けました。登美子さんが既婚者だと知ってガッカリした後、僕が“もうちょっと出会いが早かったら…”と言うと、北村くんが“それはないっす”と返してくれて。実に楽しかったですね。デッサンモデルの女性にフラれた時も、全部は使われないと思いながら『図案科の歌』を最後まで歌い切ったり。あれは自分でもやりすぎたと思います(笑)」
37年前の1988年、「それいけ!アンパンマン」のばいきんまんオーディションには通らなかったものの、めいけんチーズ役としてレギュラーに。今作出演には、やなせ氏への感謝も込めた。ドラマ初共演とは思えぬ北村との“師弟コンビ”が見事に悲喜劇を築き上げた。
=インタビュー(2)に続く=
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