曽野綾子さん死去 93歳、老衰 「神の汚れた手」「太郎物語」など手がけた社会派作家

[ 2025年3月5日 04:15 ]

13年、書斎で取材に応じる曽野綾子さん
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 宗教や戦争、社会問題を題材にした小説や、老いについてつづったエッセーで知られる作家で文化功労者の曽野綾子(その・あやこ、本名三浦知寿子=みうら・ちずこ)さんが2月28日午後2時59分、老衰のため、東京都の病院で死去した。93歳。東京都出身。葬儀は近親者で行った。

 聖心女子大在学中に参加した同人誌「新思潮」で、後に文化庁長官を務めた作家三浦朱門さんと知り合い、結婚。54年に「遠来の客たち」が芥川賞候補となり、有吉佐和子さんや瀬戸内晴美(寂聴)さんとともに「才女時代」の到来と注目された。若さと美貌、文才あふれる女性作家として「女三島由紀夫」の異名を取るなど、スター的存在となった。

 妊娠中絶の問題を扱った「神の汚れた手」や、息子をモデルにした青春小説「太郎物語」、大久保清事件を題材とした「天上の青」など社会問題を扱った小説のほか、宗教、戦争などに鋭い洞察力を発揮した作品を発表。エッセー「誰のために愛するか」(70年)が200万部を超え、70代後半で発表した「老いの才覚」(2010年)も100万部のベストセラーになった。

 敬虔(けいけん)なクリスチャンで知られ、世界の貧困地域への支援など社会活動にも精力的に取り組んだ。日本船舶振興会(現日本財団)会長、日本郵政社外取締役などを歴任。日本財団会長に就任した1995年には、平和島競艇場を視察し、舟券を買ったこともあった。右派の論客としても知られ、人種や年代、性別に対する独自の見解は時に物議を醸すこともあった。

 日本芸術院会員。97年に海外邦人宣教者活動援助後援会の代表として、吉川英治文化賞を受賞した。

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