末成映薫(2)77歳 やりたいことまだまだいっぱい 座右の銘は間寛平のギャグ「止まったら死ぬんじゃ」
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70歳にしてマラソンに挑戦し、本業の舞台役者としての仕事だけでなくシャンソンにも挑戦する末成映薫。そのバイタリティーはどこから来るのか。座右の銘は間寛平の名言だった!?
【末成映薫インタビュー(2)】
◆◆ ライバルは夏木マリ!? ◆◆
―末成さんといえば、カツラがあまりに印象的です。
「あれも長いですねえ(笑い)。でも、最初はね、もっと小さかったんです。役によっては着物できちんとした格好もしないといけないのでね。でも3枚目をしようと決めたときに、それではおもしろくないから、もっと派手なのにしようと思ったんです。イメージしたのは塩沢ときさん(女優、07年他界)でした。もっと大きくなりません?とカツラ屋さんに言って大きくしてもらって、もっと、もっと、となってあれがカツラとして成立する最大級なんですって」
―私もうろ覚えですが、少しずつ大きくなっていった気がします(笑い)。
「でもね、千と千尋の湯婆婆。あれ絶対私の方が先やと思うんです!映画見にいったときに湯婆婆出てきたら、私や!って思いましたもん。なんであの役来ないんかなあ?と思って(笑い)。舞台で演じた夏木マリさんを変にライバルみたいに思うようになるし(笑い)。その夏木さんがコロナなったときに、いよいよオファー来るわ!と思ってたんやけど、声かからなかったです(笑い)」
―確かに末成さんは自前のカツラでいけますもんね(笑い)。
「そうなんです。いつでも声がかかるように準備しています(笑い)」
―(笑い)あの映画も随分前の製作ですし、とにかく長い間新喜劇で活躍されてきたわけですけど、現在の新喜劇はかなり変わったのではないでしょうか?
「そうですねえ。まず、昔はメインの人を際立たせるためにあった劇団で、お前らは笑いとらんでもええみたいに教えられてきましたから。でも、今は一人一人が責任持って笑いを取るようになってきてます。例えばカップル役の2人がいたら、それぞれどんな形で笑いをとるか試行錯誤してます。出てる人みんながウケるウケない別にして、何とか笑わせようとしてます。その点は大きく変わったし、やっぱり座員もやりがいを感じていると思いますね」
◆◆ 歩きすぎてウォーキングマシン2台壊した!? ◆◆
―間寛平さんがGMになられたのも大きかったのでしょうか。
「時代の流れで徐々に変わってきた部分はあったんですけど、一段と変わりましたね。総選挙とかね、よう思いつくわ、とほんまびっくりしましたもん。でもね、寛平さんは若い子にばかり目を配るんやなくて、私らベテランにも声をかけてくれるんです。そんなところもほんまありがたく思ってます」
―しかも、寛平さんもまだ現役でやられています(笑い)。
「そうなんですわ。あれはね、やっぱり筋肉ですね」
―筋肉?
「あの人はずっと走ってるでしょ?やっぱり筋力が違うんやと思います」
―あ、肉体的な筋肉ですね(笑い)。それに関しては末成さんも素晴らしいです。70歳でマラソンをされたとも聞いています。
「寛平さんに比べたら全然ですよ。でも、意識して体は動かすようにはしていますね。動かしすぎて股関節を痛めてしもて、お医者さんに運動やめなはれって言われてしまったくらい(笑い)。今は家でウオーキングマシン使って歩いてるんですけど、2台つぶして3台目なんです」
―歩きすぎでつぶすなんて、あるんですね。初めて聞きました(笑い)。しかし、やはり舞台に出るというのは意識的に鍛えないといけないということでしょうか?
「いえいえ、舞台での動きなんて大したことありません。急な舞台での動きに対応できるということはありますけど。まずは個人的な健康のことを考えて、という方が大きいですね。少し前に昔の新喜劇を振り返る映像を見る機会があったんです。諸先輩いろいろな方が出ておられて、とても懐かしかったんですが、もう半分以上の方がお亡くなりになられて。そういうのを見ると、頑張ってやらんとあかんなあと思います」
―そんな末成さんにこんなことを聞くのもおこがましいのですが、これからの芸人人生でかなえたいと思っている夢みたいなものはありますか?
「あります(笑い)。私、毎年ディナーショーをやっていて歌もやらせていただいてるんですけど、シャンソン歌手になりたくて、今、一生懸命習いにいってるんです。一応、80歳のときにビルボードでライブしたいと思っていて、支配人さんにも口約束でお願いしてるんです」
―80歳でオンステージですか。それはもう、絶対に実現してください。
「(笑い)寛平さんのギャグで、止まったら死ぬんじゃってあるでしょ。あれはね、私のことやと思ってます。死ぬのは止まるとき。そんな気持ちでこれからも頑張りたいですね」=終わり
【取材を終えて】インタビューの内容を振り返ると重みのある言葉に感銘を受けるのだが、話しているときは思わず聞き流してしまいそうになるほど実に軽やか。やはり、天性の喜劇女優さんだ。
キャリアの長い人にありがちな“昔は良かった”的なところは一切なく、あくまで昔は比較対象。現在進行形の部分に思考の大半を費やしている。だから77歳になってもバリバリの現役感を保ち続けているのだろう。
若い座員ともコミュニケーションを絶やさない。時間のある時は得意の手料理を持って楽屋に入り、みんなに振るまう。劇団の頼りになる先輩で、友達で、お母さん。鍛え上げた足腰で、これからも屋台骨として、吉本新喜劇をずっと支え続けてください。(江良 真)
◇「生存確認ライブ2~いこいのホテル Oh!ラッハ~ン~」6日19時半開演。1部は新喜劇コメディ、2部は歌謡ショー。池乃めだか、未知やすえ、ざ・ぼんち、前川清ら出演者は全員60歳以上。1階席7000円、2階席6500。問い合わせはFANYチケット(0570-550-100)。
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