藤竜也 「人間の本質」に迫る自信作 恋のため妻子捨てた認知症の元大学教授役…男の「老いと性」描く

[ 2024年7月14日 05:00 ]

映画「大いなる不在」の公開記念舞台あいさつを行った藤竜也
Photo By スポニチ

 俳優の藤竜也(82)が、映画「大いなる不在」(監督近浦啓)で認知症を患う元大学教授を演じている。恋のため妻子を捨てた男の老いと性を描いた作品には「人間の本質がある」と力を込める。

 「性」と藤といえば1976年公開で故大島渚監督の「愛のコリーダ」。性愛に溺れる男女の日常は「ベッドシーンばかり。強烈だけど切り口はピュアだった」とその世界に魅了された。大胆な性描写がある作品への出演は周囲に猛反対されたが「この一作で終わってもいい」と事務所を退社し、飛び込んだ。

 米国の映画祭では、上映不可になるなど辛酸をなめたが、10日からニューヨークで行われている北米最大の日本映画祭「ジャパン・カッツ」で最新作の上映が決定。俳優としての功績を称え「特別生涯功労賞」の受賞も決まり、現地で18日にある授賞式に出席する。

 68年に結婚した妻・芦川いづみ(88)とは今も相思相愛。「人生は好き同士になった男と女で成り立つ。老いることは人間としての醍醐味(だいごみ)。ゆっくり味わって」と目を細めた。(西村 綾乃)

 ≪「人生のたそがれ時に素晴らしい仕事」≫藤は13日、都内で「大いなる不在」の公開記念舞台あいさつに登壇した。同作は昨年のスペイン、サン・セバスチャン国際映画祭で日本人初となる最優秀俳優賞を受賞するなど、各国で高く評価されている。「人生のたそがれ時に、素晴らしい仕事をいただけて感謝しています」と感慨深げに話した。

 ◇藤 竜也(ふじ・たつや)1941年(昭16)8月27日、中国・北京市生まれ、神奈川県出身の82歳。21歳の時に、日活ニューフェイスとして映画「望郷の海」でデビュー。ドラマ「時間ですよ」、映画「愛のコリーダ」、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」などに出演。1メートル73、血液型O。

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

芸能の2024年7月14日のニュース