「風呂に入らせない、食事とらせない、寝させない」…元宝塚劇団員が明かす上級生の衝撃パワハラ

[ 2023年11月13日 17:58 ]

宝塚歌劇団の劇場

 かつて宝塚歌劇団に所属していた元劇団員が、13日放送の読売テレビ「ミヤネ屋」に出演。劇団内で伝統のように続いてきたパワハラの実態について激白した。

 9月に宙組所属だった女性が宝塚市内で転落死し、現在、遺族が劇団などに補償と謝罪を求めている。元劇団員の女性も遺族側の弁護人が記者会見で語ったような数々のハラスメントについて「清く、正しく、美しくからはほど遠い暴言や人格否定があった」と認めた。

 元劇団員によると、上級生と下級生の圧倒的な力関係は昔からずっと存在していた。「名札が曲がっている」「あいさつを無視した」「態度が悪い」など口実は多々あった。下級生が気にくわない態度をとると、上級生によって下級生が部屋に集められて“反省会”を強要された。しばらく話し合っていると、上級生が部屋をドンドンドンと激しく叩く。出ていくと長時間の説教が待っていた。「お風呂にも入らせてもらえないし、食事もとれない。朝まで続くこともあって寝られないこともあった」という信じられないような仕打ちをされたこともあったという。

 パワハラは上級生だけではなかった。振付師から「体型が崩れた」と指摘された時は、演出家や劇団員がいる中で前に立たされ、延々と罵詈(ばり)雑言を浴びせられたこともあるという。

 長時間労働は日常茶飯事だった。初舞台の稽古の時には1カ月以上休みがなく「何の誇張もなく早朝から深夜まで稽古だった」。また「娘役はアクセサリーが手作りなんです。公演前は自宅や寮で夜を徹して作っていました」と、にわかには信じられないような劇団の実情を明かした。

 一方で「亡くなった方も舞台に立ったらすべて忘れられると話されていたそうですが、その気持ちはとてもよくわかります。きらびやかな衣装を着て、照明を浴びて、セリフを言うというのは、それ自体はすごくいい思い出」と振り返る。ただ「私も含めて、何百人もの卒業生が暴言を受けたり、吐いたりしていたにもかかわらず、なかったことにしているのが辛いし恐ろしい」と自省する。「長時間労働を舞台に向けての精進、パワハラを愛とか指導とかの美談に置き換えられてきた。暴力と認識できなくなってしまった」と悔やむとともに、OGとして宝塚歌劇団が変わることを願っていた。

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