【イマドキの仕事人】「超アナログ」だから心に響くチンドン屋
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インターネット広告が隆盛を迎えるいま、「街の宣伝屋」がにわかに注目を浴びている。にぎやかな演奏で街を練り歩くチンドン屋だ。全盛期は約2500人いたとされるが、全国で50人程度にまで減少。昭和とともに消えゆく仕事と思われたが、実は若い担い手も現れている。この世界に飛び込んで10年になるアラサー女子は「人の心が動く瞬間が面白い」と奮闘していた。
都営浅草線東日本橋駅の出口から徒歩3分ほどに位置する薬研堀不動院。昨年末、江戸三大不動の一つで地元から「お不動さん」として親しまれる寺院で催された歳(とし)の市を宣伝するため、「チンドン芸能社」に所属する長田望(33)ら4人が街を練り歩いていた。
鉦(かね)と太鼓を組み合わせたチンドン太鼓、ゴロス(大太鼓)、サックスの演奏で通行人の視線を集める。黄緑や赤、橙(だいだい)といった派手な和装に、かつらをかぶった姿はまるで時代劇から飛び出したよう。花形のチンドン太鼓を叩きながら長田が「年末の準備が整う歳の市でございます!」と威勢のいい口上を響かせると、外国人観光客が「ワオ!」と驚きスマートフォンを向けた。
顔を白塗りにした長田は「一人一人に声を掛けていくのは超アナログ。けれども、人とのやりとりをしていると心が動く瞬間に出合える。それが面白い」とニッコリ。街を練り歩くと「頑張ってね」と見知らぬ人からの差し入れも少なくない。
長田自身もチンドン屋に心を動かされた一人だった。「小江戸」こと埼玉県川越市出身。子供の頃から祭り囃子(ばやし)が大好きだった。転機は19歳。地元のパチンコ店を通りがかった時、なじみのある囃子のような音楽が聞こえた。それがチンドン屋の演奏だった。
「演奏やコミュニケーションの方法はアナログだけど、それが新鮮だった。純粋にかっこよくて、人を引きつける力があると思った」。大学入学後はさらに没頭。資料を読みあさり、仲間とチンドン屋のまねまでするほどだった。
両親から「大学まで行ったんだからちゃんと就職しなさい」と諭され、本心を隠して就職活動。面接も何社か受けたが、チンドン屋への憧れが口をついて「話していくうちに覚悟が決まった」。大学を卒業した07年、知人の紹介で永田久(51)、美香(49)の「親方」夫妻が設立したばかりのチンドン芸能社へ弟子入りした。
最初は楽器を演奏しながらの路上宣伝がうまくできず、自転車や通行人にぶつかりそうになったことが何度もあった。街を盛り上げるつもりが「騒がしい」と怒鳴られたこともある。端的にいえば、チンドン太鼓を叩いて宣伝するだけ。それなのに、知れば知るほど奥は深かった。
いかに通行人の妨げにならずに目を引くか。客を呼び込めるか。管楽器を演奏する楽士へ要求する曲選びも午前なら活気が出るように、夕方なら郷愁を誘うように。「デジタルの時代になっても何か人の心が動いて“行ってみよう、買ってみよう”と感じる部分は一緒」。宣伝の本質は時代が変わっても同じだとみている。
(戦後人気も激減/全国に50人程度/) 久親方によると、東日本大震災以降、自粛ムードによって仕事数が落ち込んだ。「震災から時間がたってよくなったかと言えばそうではない」と懐事情は決して楽ではない。一方、美香親方が「時代のニーズに合わせて自然に変化していく」と言うように伸びしろもある。
その一つが福祉施設への慰問。入所者の多くは懐かしみ、青春時代の思い出がよみがえるきっかけになっているという。訪日外国人観光客向けや居酒屋での定期演奏など「アトラクション」として人々を楽しませる仕事も増えているという。
戦後に隆盛を極めたチンドン屋は最大約2500人いたとされるが、メディアの台頭により急減。現在は40〜50人ほどと言われる中、長田は「入社して7、8年は一番年下だったが、20歳前後の後輩が入ってくるようになった」と笑みを浮かべた。一昔前に職業差別があったのは事実だが、昭和を知らない若者が増え「そうした意識は全くない」(久親方)ことも追い風になっていて、業界を担う新世代が育ち始めている。
3年後に東京五輪・パラリンピックが迫り、日本への関心は過去にないほど高まっている。浅草などで仕事をすれば、外国人観光客から「ゲイシャ」「カブキ」と声を掛けられることは日常茶飯事。だが、「芸人」のように大衆を芸で魅了することはできない。あくまで宣伝を請け負う「職人」だ。「サラリーマンがスーツを着るように、和装は私の仕事着ですから」。長田は笑顔を残して、その格好のまま地下鉄で帰路に就いた。(敬称略)
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