勘三郎さんに最後のお別れ…大竹しのぶ「大好き。今も、これからも」

すべて白の菊１８０００本、カーネーション１５００本、胡蝶蘭１５０本で飾られた中村勘三郎さんの祭壇。遺影は篠山紀信氏の撮影

　急性呼吸窮迫症候群のため５日に５７歳で亡くなった歌舞伎俳優・中村勘三郎さんの葬儀・告別式が２７日、東京都中央区の築地本願寺で営まれ、生前親しくしていた歌舞伎関係者や友人で野球解説者の江川卓氏（５７）、女優大竹しのぶ（５５）らが参列し、別れを惜しんだ。

　弔辞では、勘三郎さんと同い年の盟友で、舞踊「棒しばり」では名コンビと評された坂東三津五郎（５６）が「もう一緒にやれないと思うと、心に大きな穴が開いた。生きる楽しみがなくなっちゃったみたいです」と声を詰まらせ、「僕がそちらに行ったらまた一緒に踊ってください」と天国に呼び掛けた。

　７７年の舞台共演から親交があり、最期をみとった大竹は「のりさん、大好きですよ。今も、これからも。ありがとう。またね」と涙をこらえて親友への思い吐露。劇作家の野田秀樹氏（５７）は「誰も君のようには二度とやれない。君ほど愛された役者を知らない」と故人の才能を惜しんだ。

　喪主の長男・中村勘九郎（３１）は「こんなに愛されている人の息子に生まれて本当に幸せです」とあいさつ。「父が愛した歌舞伎の道をしっかり前を向いて進むしかない」と決意を述べ、「どうか、どうか、助けてください」と繰り返し、頭を下げた。

　▽主な参列者　王貞治、江川卓、大竹しのぶ、野田秀樹、坂田藤十郎、尾上菊五郎、中村吉右衛門、片岡仁左衛門、松本幸四郎、中村梅玉、坂東三津五郎、中村福助、中村橋之助、市川海老蔵、尾上菊之助、市川猿之助、中村獅童、市川中車（香川照之）、扇千景、富司純子、三田寛子、松たか子、松本紀保、柄本明、蒼井優、渡辺えり、白井晃、戸田恵子、いとうせいこう、青木功、伊藤英明、大村崑、草刈民代、周防正行、東山紀之、二宮和也、桜井翔、大野智、草なぎ剛、香取慎吾、田中麗奈、郷ひろみ、山本陽子、真矢みき、牧瀬理穂、司葉子、風吹ジュン、黒木華、小倉智昭、岸部一徳、朝丘雪路、仁科明子、仁科克基、五木ひろし、桂文珍、内田裕也、和田アキ子、石川さゆり、中村有志、妻夫木聡、松山千春、渡辺えり、長谷川京子、宮沢りえ、鳩山由紀夫、奥田瑛二、深津絵里、榊原郁恵、松村邦洋、小倉久寛、阿部寛、宮藤官九郎、武田鉄矢、吹越満、阿部サダヲ（順不同、敬称略）