列島縦断シンガー加賀谷はつみ、メジャーデビュー

[ 2011年8月4日 06:00 ]

33県目となった神奈川県で路上ライブを行う、加賀谷はつみ

 “路上のなでしこ”が念願のメジャーデビューをつかんだ。今年2月から全国47都道府県を巡る路上ライブを敢行している加賀谷はつみ(25)。自主製作のCDを1県当たり100枚売らないと次の県へ移動できないというノルマを自ら課し、現在38都府県まで制覇したそのど根性と歌唱力にユニバーサルが契約した。13歳からライブ活動を始めた加賀谷は「路上魂全開で頑張ります」と力が入っている。

 全国路上ライブは今年の2月に沖縄からスタート。訪問先では1カ所に約4時間、ギター一本で路上に立ち続けた。自らに課したノルマは自主製作CDを1県当たり100枚手売りすること。最長で1県で2週間かけて売ってきた。3日時点で群馬県まで38都府県を制覇。CDの販売数も4000枚を突破した。

 ユニバーサルの担当者は福岡、広島などで路上ライブの様子を確認して契約した。「彼女がライブをやりだすと人が集まりだす。今まで見たことのないほど人を引きつける力を持っている。歌声も一度聴くとずっと耳に残るんですよ」と歌唱力にホレ込んでいる。

 デビュー曲「君がいる」はすべての人への応援歌。つまずいた泥だらけの僕に起き上がる勇気をくれたね――と前向きな歌詞が印象的。アップテンポの曲に乗る優しい歌声が特徴で、28日に行われる北海道マラソンの番組テーマ曲にも決定。31日に配信限定でレコチョクなどで発売される。

 13歳からライブを始めて12年。夢のデビューに加賀谷は「やっと初めの一歩が踏み出せるんだと…」としみじみ。「12年追い続けたからこそ変わることなく今まで大切にしてたものを変わらず大切にしていきたい」と喜びを口にした。

 路上で歌い始めたのは07年。地元の千葉県流山市などで歌ってきた中「自分の曲をどういうふうにすれば大勢の人に届けられるか」と考え、全国路上ツアーを敢行した。

 現在、栃木、新潟、東北、北海道を残すのみ。8、9日に被災地の福島県に入るつもりで「震災前も震災後も伝えたいことは変わらない。その土地に触れて全力で伝えてきます」と精いっぱい歌うことを誓った。

 ◆加賀谷はつみ(かがや・はつみ)1985年(昭60)10月1日、千葉県生まれの25歳。愛用のアコースティックギターは国産ブランド「HEADWAY」。幼少時から毎日スクワット100回を欠かさず行い、健康維持に努めている。

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2011年8月4日のニュース