“文枝”襲名しても「“三枝”は誰にも渡さない」

[ 2011年7月17日 06:00 ]

上方落語協会会長の桂三枝

 【桂三枝に聞く】

 ――襲名が決まった現在の心境は?

 桂三枝として45年、皆さんに大きくしていただいたので、この選択で良かったのかと思い、発表前は眠れませんでした。今は皆さんの後押しで覚悟ができた感じですね

 ――関係者へ報告は?

 桂米朝師匠はじめ、東京の方々にも連絡させていただきました。桂春団治師匠は「三枝の名はもったいないけど、良いことだから頑張りなさい」と言ってくださいました

 ――いつ頃から文枝を意識したのか?

 師匠がお亡くなりになってからです。桂の源流の文枝という名がないのは寂しいんじゃないかと

 ――正式決定はいつ?

 今年4月頃に発表という感じのところに東日本大震災があって延びてしまったんです。延びてホッとしていたところも、正直あったんですけど

 ――吉本100周年の年の襲名だが?

 会社も落語に力を入れてくださってる中、来年は69歳。ここでやっとかんと、70歳になってしまう。全国襲名ツアーも体力的にも厳しくなるし、100周年で60代最後の年のここかなと

 ――三枝の名前が離れることへの寂しさは?

 まだ三枝なので、決別するという気持ちはあまりないんです。サインも変えようと思いますが、裏に三枝って書くかもしれませんね

 ――師匠のように襲名での船乗り込みなどのイベントは考えている?

 一門からきん枝らが名を連ねているプロジェクトチームがあり、いろんなことを考えてくれると思います。きん枝はよくやってくれてますよ。選挙のお返しでしょうね

 ――三枝の名前は?

 私が持っていて誰にも渡しません。誰かに継ぐとなってモメたりすると困りますし、昔からあって残さないかん名前という訳でもないですしね

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