日テレ会長の氏家斉一郎氏が死去

[ 2011年3月29日 06:00 ]

死去した氏家斉一郎氏

 元民放連会長で日本テレビ会長の氏家斉一郎(うじいえ・せいいちろう)氏が28日午前6時10分、多臓器不全のため都内の病院で死去した。84歳。東京都出身。葬儀・告別式は家族のみで行い、後日お別れの会を行う。

 同局によると昨夏、暑さと多忙のため体調を崩し約1カ月静養。その後は体調も良好で、精力的に活動。局員から「入院していたことも知らなかった」の声も聞かれた。

 同局の細川知正社長(70)が氏家氏と最後に会ったのは2月21日。海外で行われる株主説明会で渡航することを報告した。同28日にも会合で同席する予定だったが、氏家氏は欠席。細川社長はあいさつの中で「(氏家氏は)十二指腸潰瘍」と説明していた。

 氏家氏は1951年に読売新聞社に入社。経済部長、広告局長を経て、80年に同社常務取締役。92年に日本テレビ社長に就任後、会長、取締役会議長を歴任し、09年に会長に復帰した。テレビの地上波デジタル化などで放送業界をけん引。巨人の相談役も務め、プロ野球に関する発言も多かった。10年には旭日大綬章を受章した。局内には、この日午後、祭壇が設けられ、局員が手を合わせていた。

 ▼長嶋茂雄・巨人終身名誉監督 氏家会長の訃報を聞き、言葉を失っております。入団当時から温かい声をかけてもらい、監督になってからも「巨人は強くないとダメなんだ」と、いつも激励の言葉をいただいていました。巨人が大好きで、野球が大好きな方でした。プロ野球が広く国民に受け入れられるようになったのもテレビを通じ、氏家会長が粘り強くバックアップしていただいたおかげだと思っています。そんな偉大な方を亡くしてしまったことは、とても残念でなりません。ご冥福をお祈りいたします。

 ▼王貞治・福岡ソフトバンクホークス会長 氏家さんは日本テレビの総帥として、常にテレビ界をリードし、いまのメディアを作り上げてこられました。ファンあってのプロ野球。野球界とファンをつなぐ懸け橋としてご尽力いただき、本当に感謝しております。特にいま球界が置かれている多難な局面に対して、ご意見をいただきたかったし、見守っていただきたかった。いまはただ、ご冥福をお祈りいたします。

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