植村花菜「トイレの神様」で紅白初出場へ

[ 2010年11月23日 06:00 ]

紅白に出場することが内定した植村花菜

 歌手の植村花菜(27)が大みそかの「第61回NHK紅白歌合戦」(後7・30)に初出場することが内定した。「泣ける曲」と話題を呼んだ9分52秒の大作「トイレの神様」をノーカットで歌う。1曲の歌唱では紅白61年の歴史で史上最長。NHKは、06年の秋川雅史「千の風になって」や昨年の坂本冬美「また君に恋してる」などに続く、紅白発の大ヒットにするつもりだ。

 「トイレの神様」は植村の体験をもとに、トイレを通した祖母とのきずなを歌った作品。幼少期から死別までを描いている。「詞の世界観をしっかり伝えたい」という本人サイドの思いから、テレビ出演時は必ずフルサイズで放送されてきた。
 紅白は1組約3分ほどの歌唱時間が定番。出場歌手の間で差がないようほとんどの歌がカットされてきた歴史がある。ただ、老若男女すべての世代に通じる家族愛を歌った「トイレの神様」は今年の紅白のテーマ「歌でつなごう」にぴったりで、NHKは今大会を象徴する目玉曲としてノーカットでの放送を決めた。
 紅白の歴史で最も長く歌ったのは90年、ベルリンから中継出演した長渕剛(54)で計3曲の約15分。昨年最大の目玉だった矢沢永吉(61)でも2曲メドレーで約4分半。植村の1曲約10分は破格だ。
 NHKが「トイレの神様」にいち早く注目してきたという経緯も後押ししている。今年3月に同曲収録のアルバムが発売された時、すぐにBS2「ウエンズデーJ☆POP」でフルサイズで紹介。以後「SONGS」など音楽番組はもちろん、12日のNHK総合「特報首都圏」では同曲が教育現場などに活用される様子を社会現象として取り上げた。23日放送の総合「歌謡チャリティーコンサート」(後7・30)ではフルオーケストラの伴奏で放送する。
 紅白出場をきっかけにした大ヒットは、06年の「千の風になって」から始まり「吾亦紅」「愛のままで…」「また君に恋してる」と4年続けて生まれている。「トイレの神様」は24日にシングル化され、大ブレークの絶好機。デビュー5年で紅白切符をつかんだ植村。今年の“紅白発ヒット”の最有力候補だ。
 ◆植村 花菜(うえむら・かな)1983年(昭58)1月4日、兵庫県生まれの27歳。高校卒業後、路上ライブを始め、02年「ザ・ストリートミュージシャン・グランプリ」でグランプリを獲得。05年5月「大切な人」でメジャーデビュー。1メートル61。血液型A。

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2010年11月23日のニュース