「1週間のごぶさたでした」玉置宏さん名調子が復活!

[ 2010年7月19日 06:00 ]

生前に録音した貴重なナレーション音源が発掘されCD化されることが決まった故玉置宏さん

 2月に脳幹出血のため亡くなった昭和を代表する名司会者、故玉置宏さん(享年76)の名調子がCDでよみがえる。9月22日に5枚シリーズで発売される「名調子!玉置宏の昭和ヒットコレクション」。生前録音されたナレーション音源が発掘された。5枚いずれも不朽の名ゼリフ「1週間のごぶさたでした」で幕を開ける、熟年ファン感涙の作品だ。

 58年から77年まで1000回にわたり司会を務めたTBS「ロッテ歌のアルバム」などで昭和のお茶の間を彩った、粋な空気感と情緒にあふれる語り口がまた聞ける。
 このほど発掘されたのは昭和50年代初めに盛んに生産された「カラオケレコード」の音源。伴奏のイントロ部に玉置さんのナレーションを足したものが130曲分見つかった。いずれもレコードのため独自に収録された貴重なフレーズだ。
 今作ではカラオケでなく、昭和の名歌謡計80曲が玉置さんの語りに乗せて流れるつくりで、往年の音楽番組をほうふつさせるムード。原曲のイントロに語りを重ねると楽曲を加工することになり著作権に抵触するが、作詞家・作曲家やレコード会社などが「追悼になるなら喜んで」と快諾し実現した。
 「歌謡界の生き字引」と言われた玉置さんのキャリアを物語るように、5枚のCDの収録楽曲は東海林太郎「国境の町」(34年)など戦前の曲から、アリス「ジョニーの子守唄」(78年)など昭和50年代のポップスまで40年以上の歴史を網羅。
 さらに50~60代を泣かせそうなのが、全CDの冒頭を飾る「1週間のごぶさたでした」。玉置さんの代名詞とも言える名ゼリフ。昭和歌謡の隆盛を支えた「…歌のアルバム」の懐かしい空気感が満載の仕上がりだ。

 ◆玉置宏さん名調子

 ▼「旅に出たのはなぜかと聞かれ、独りぼっちはなぜかと聞かれ。涙がひとつ答えてる。遠くきらめく灯台だけが、わたしの恋を知っている――。旅に疲れた女がひとり、津軽海峡・冬景色!」(石川さゆり「津軽海峡・冬景色」=77年)
 ▼シクラメンのかほり 「風の向こうに何かがあると、あのとき2人は知っていた。恋のさなかにいたときは、2人の世界が見えていた。でも、今は…。見失った優しい愛の花、シクラメンのかほり!」(布施明=75年)
 ▼ウォンテッド(指名手配) 「女の心の秘密の園に、妖(あや)しく揺れる恋の炎!逃がさないわよぉ~っ!ウォンテッド!」(ピンク・レディー=77年)
 ▼微笑がえし 「青春のすべてを燃焼させ尽くしたような、なが~い、なが~い1日でした。あすからは期待と不安の入り交じった、ひとり暮らしの始まりです。ひとつの青春が過ぎ去りました」(キャンディーズ=78年。解散前ラストシングル)
 ▼北国の春 「1年1年遠ざかる青春を思い出すとき、逆に1年1年近くなってきているのが、ふるさと。ふるさとがある人は幸せです。きっとあなたは最後には、ふるさとに帰るはずですから」(千昌夫=77年)

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2010年7月19日のニュース