ハプニングなんの!北野監督ベネチアで絶賛

[ 2008年8月30日 06:00 ]

映画「アキレスと亀」の公式上映後、スタンディングオベーションに笑顔で応じる北野武監督(左)、樋口可南子

 第65回ベネチア国際映画祭の「コンペ部門」に出品された北野武監督(61)の「アキレスと亀」(9月20日公開)が28日(日本時間29日未明)、映画祭のメーン劇場でお披露目された。観客から絶賛の声を受け北野監督は「(1997年に最高賞を受賞した)“HANA―BI”の時と雰囲気が似ている」と手応えをつかんだ様子だ。

 上映中、主演も務めたたけし扮する画家の“奇行”の連続に、遠慮のない笑い声と拍手が起こった。“3部作”と位置づけた「TAKESHIS’」「監督・ばんざい!」の過去2作とは、明らかに違う反応。4分間のスタンディングオベーション中、監督は照れくさそうに頭をかき「終わってからじわじわと拍手が出てきた。“HANA―BI”の時に似ていて、最初にベネチアに来た時を思い出したよ」と目を赤くした。
 映画祭ディレクター、マルコ・ミューラー氏から「コングラチュレーション」と握手を求められ、「前の2作と違って初めて面と向かって言われたよ」とホクホク顔。妻を演じた樋口可南子(49)らと興奮を分かち合った。
 上映開始直後は、音声トラブルで6分間中断するハプニングが発生。02年の同映画祭で、映写機のトラブルのため上映が中断し、結果として無冠に終わった「Dolls ドールズ」の悪夢がよぎったものの「またかよと思ったけど、イタリアらしい」と余裕の笑み。日本人記者向けに開かれた会見でも「(事務所の後輩の)山本モナとか言わないように」と上機嫌に振る舞った。
 翌29日のイタリア各紙の批評も高水準で、5点満点で4点を付けたIL TEMPOは「皮肉交じりのユーモアが天才的」と絶賛。授賞式は“心の師”と仰ぐ故黒澤明監督の命日でもある9月6日。日本人初となる2度目の金獅子賞(グランプリ)獲得も夢ではなくなってきた。

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2008年8月30日のニュース