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【KNOCK OUT】王者・中島玲 運命の再戦へ“伝説のボクサー”から刺激!「良い年明けを迎える」

[ 2025年12月26日 09:00 ]

12月30日に迫った初防衛戦にベルトを掲げるKNOCK OUT-BLACKウェルター級王者の中島玲(撮影・酒井 卓也)
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 プロボクシング元日本スーパーウェルター級暫定王者でKNOCK OUT-BLACKウェルター級王者の中島玲(27=ハイブリッドアカデミー/クロスポイント渋谷)がスポニチアネックスの独占インタビューに応じた。初防衛戦となる12月30日に迫ったユリアン・ポズドニアコフ(ウクライナ)とのリベンジマッチへの思いを吐露した。

 「スタイル的なイメージは、パッキャオのステップにキックをミックスしたのが理想」

 王者として迎えた2025年。今年初戦で4月にユリアンとの対戦が決まった。しかし相手を見くびっていたという。「正直、絶対倒せると思ってた。ベルトを獲得できた渡部(太基)選手との試合で、蹴りが全部見えるっていう構えを、自分の中で見つけていたし、この構えで戦ったら多分、どのキックボクサーにも勝てるという構えがあった。だけどその時にパンチで倒したことで、よりパンチに自信がついた。ステップどうこうよりも自分の腕力でいこうってなってしまった」と回想した。

 そして悪夢が待っていた。パンチに自信を持っていたため、大きく構えが変わってしまって「自滅した試合だった」と打ち明けた。

 「ちゃんとした構えから打っていたから、強いパンチが打てたのに前のめりの構えになって、パンチが良くなかった。頭でわかってても、体が動かなかった。構えが崩れていたから今までは出せていたパンチも出せなくなっていた。頭の中で1人で会話している状態だったし、頭が真っ白でセコンドの声も入ってこなかった」と試合中に格闘技キャリアで初めてパニック状態に追い込まれた。

 2Rには膝蹴りでダウンを喫した。「あの膝蹴りは見えなかった。ダメージもかなりあった。その後のパンチも手打ちになってしまった」とダウンシーンも回顧した。

 1度戦ってみた相手の印象は「オールマイティーにだいたい何でも出来るタイプだった。ムエタイ系の選手なのに打ち合いもできるし、フックもすごくコンパクトに打ってくる。あと最初から手数が出るタイプの選手だった。そして蹴る瞬間に構えが変わる。あと左ボディーは自信を持っていると思う。全体的にコンビネーションで出してくる」と語った。

 試合はまさかの判定負け。「やっちゃったなぁ…っていう感じと、その時に“やっぱり中島はこんなもんか…”みたいに思われている感じがすごい伝わってきてめっちゃ悔しかった」と回想し、この試合後にはスランプに陥ったと告白。

 「4月の試合後には、練習中でも出そうと思うパンチが出なくて悩んだ」と苦悩を明かした。

 6月にユリアンとの再戦が決まりながら、5月に練習中のスパーリングで、左目眼窩底骨折。これをきっかけに大阪から東京へ拠点を移した。「合宿で東京に来た時に山口代表から“クロスポイントのソニー先生に1回練習を見てもらったらどう?”みたいな話をいただいたので、1日だけクロスポイント渋谷に行ったことがあったんですけど、その時に“ここで練習したい”と思いました」と経緯を語った。

 そしてスランプから脱却にもつながった。「4月の時点では、強いパンチが打てる時・良い動きができる時と出来ない時の理由がわかってなかった。それは自分が疲れてる・疲れてないだけの話かなと思ってた。でも今は何でいい動きができるのかとか、自分がこう動きたい時になんで動けるようになるのかという理由がわかった」と説明。

 約6カ月ぶりの再起戦となった10月の後楽園ホール大会では、小川悠太(誠真会館所沢道場)で判定勝利。「観客に求められている試合はできてないけど、ユリアン戦につながるいい練習になったと思う。早い段階でKO勝ちするよりも、ユリアン戦のことを考えたら、3Rをフルで戦って、蹴りをしっかり出すっていうのは、すごい良い経験になった」とポジティブに捉えた。

 そして再起戦となった10月からも進化しているという。「昔、空手でチャンピオンだった時に何で強かったのか考えた時に、フットワークを使って常に動いて相手が捕まえられない形だった。でも首の大ケガ以降、太ってフットワークがなくなったままほぼ腕力でいくみたいなスタイルになっていた。10月の試合が終わってからフットワークを練習するようになった」と、“原点回帰”でフットワークを見直した。

 さらにボクシング界の“レジェンド”にも刺激を受けたと明かした。「スタイル的なイメージは、パッキャオのステップにキックをミックスしたのが理想」とプロボクシング元世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)の名前を挙げた。

 「自分はボクシング時代にスーパーウェルター級で戦っていたので、パッキャオのことはよく見ていた。当時はステップを踏めなかったので、パッキャオのハンドスピードだけ真似していた。今回、フットワークの練習をして、自分の構えがやっと定まってステップを踏めるようになった時に、“これならパッキャオみたいなパンチが打てるかも!?”と思って意識するようになった。もう1度パッキャオの映像も見直しました」とさらに進化していることを強調した。

 運命の再戦へ「スピードと手数で圧倒する。自分の横のステップとバックステップは、たぶん絶対に捕まえられないと思う。1番の理想は、相手に触れさせずフィニッシュ決着で倒す。勝つのは当たり前なんで、キックボクサーとして、自分にしか出来ない戦い方があると思うんで、その戦い方で、勝って今年の借りは、今年中に返して良い年明けを迎えたい」と気合いを入れた。(酒井 卓也)

 ◆中島 玲(なかじま れい)1998年(平10年)6月27日生、大阪府出身の27歳。幼少期に空手、キックボクシングを学び、高校からボクシングを始めて19年にプロボクシングデビュー。23年4月に日本スーパーウェルター級暫定王者を獲得した。24年3月にキックボクシング転向。昨年12月30日にキックボクシング転向後、初のタイトルとなるKNOCK OUT-BLACKウェルター級王座を奪取。今年の12月30日には初防衛戦でユリアン・ポズドニアコフと激突する。

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