×

サトシ・イシイ “塩試合”ドローでボクシング引退宣言「これで最後にします、ボクシング」

[ 2023年1月6日 14:54 ]

<ボクシング ヘビー級4回戦>3R、ハン・チャンス(右)を攻めるサトシ・イシイ (撮影・後藤正志)
Photo By スポニチ

 ダブル世界戦を含むボクシングイベント「3150FIGHT vol.4」が6日、エディオンアリーナ大阪で行われ、第2試合のヘビー級4回戦では、2008年北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストで総合格闘家の石井慧(36=ミツキ、リングネームはサトシ・イシイ)がハン・チャンス(韓国)と4回判定1―0(39―37、38―38×2)で引き分けた。結果が伝えられた場内には微妙な空気が漂い、本人も渋い表情だった。

 「ちょっと煮え切らない試合になってしまった。ボクシングは難しいですね。相手は強かったです。引き分けという結果?これで最後にします、ボクシング。ありがとうございました」

 試合後の取材対応は主催者側からの質問のみで、報道陣に質問機会を与えられなかった。詳しい説明はないまま、ボクシング引退を宣言した。

 試合内容は本人の言葉にうなずけるものだった。身長やリーチはやや劣勢。主に左ボディーストレートを放って一気に距離を詰め、相手が有利になりそうな中間距離を徹底的に避けた。接近戦で相手にしつこく左右を振り回されても、しっかりブロック。ほとんど有効打を許さなかった。ただ、石井も攻め手を欠いた。コーナーやロープに押し込んで細かくボディーや左アッパーを放つも印象的な場面はほぼなく、完全にジャッジの支持を取り付けるには至らなかった。 

 昨年8月のプロボクシングデビュー戦は国籍を持つクロアチアで取得したライセンスで出場し、プロ1戦1勝(1KO)の高山秀峰(スパイダー根本)に2―0で判定勝ち。今回はミツキジム(大阪)所属の日本人ボクサーとして初めてリングに上がった。戦う前には「成長した姿を見せたい。前回とはちょっと違う戦い方ができたら」と話していたが、その言葉を実践できなかった。

続きを表示

この記事のフォト

2023年1月6日のニュース