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岩田翔吉が0―3の判定負け 世界初挑戦でのベルト奪取ならず デビューからの連勝9で止まる

[ 2022年11月1日 20:43 ]

プロボクシングWBO世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦 ( 2022年11月1日    さいたまスーパーアリーナ )

<WBO世界ライト・フライ級タイトルマッチ ジョナサン・ゴンサレス・岩田翔吉>3回、ゴンサレス(左)と激しく打ち合う岩田(撮影・島崎 忠彦)
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 WBO世界ライトフライ級2位の岩田翔吉(26=帝拳)は王者ジョナサン・ゴンサレス(31=プエルトリコ)に12ラウンドを戦い抜いたが、0―3の判定負け。ジャッジ3人の採点は、117―111、2人が116―112で、プロ10戦目での世界王者を逃した。デビューからの連勝も9でストップ。早大出身プロボクサーの世界挑戦はライト級の高山将孝、スーパーフェザー級の三谷大和、ウエルター級&ライト級の佐々木基樹に続き4人目だったが、同大初の世界王者はお預けとなった。

 遅れてきたホープ、岩田に世界の壁は厚かった。「この世界戦のために17年間ボクシングをやってきた。試合前の練習はきついことが多いが、試合が凄く楽しみで、充実した時間を過ごせた」。意気込みは空回りし、母校・早大のスクールカラーと同じエンジ色のWBOベルト獲得を逃した。

 スピードと経験で自身を上回る小柄なサウスポー、ゴンサレスを攻略できなかった。5戦目からコンビを組む元世界2階級制覇王者・粟生隆寛トレーナーが、「総合格闘技出身で爆発力がある一方、距離感が遠くて一発をすぐ狙うスタイル」だった岩田に組み立てや駆け引きを指導。素直な性格の都会っ子、岩田も教えを次々に吸収し、日本、東洋太平洋、WBOアジア・パシフィックと3つのベルトを手にした。世界初挑戦へ向け、王者と同じ左構えの粟生トレーナーを相手にサウスポー独特の動き方を意識しながら追いかける練習を積んだが、ゴンサレスの動きは想定以上だった。

 9歳から故山本“KID”徳郁氏のジムで総合格闘技を始めたが「キックよりパンチの方が得意」と、全国U―15大会での優勝を機に中2でボクシングに専念した。高3のインターハイでは準決勝で元世界3階級制覇王者の田中恒成(畑中)、決勝では元WBC世界バンタム級暫定王者・井上拓真(大橋)を連破して優勝。だが、すぐにプロ転向した田中らには同調せず、「10代から20代になる4年間でいろいろなことを吸収してからプロになる方がいい」と、ラグビーや駅伝を見て憧れていたという早大に入学。心理学やスポーツビジネスを学び、東京五輪・パラリンピックをテーマにした卒論に取り組むなど競技生活だけでは得られない人生経験を積んだ。プロ入りは遅れたものの「自分は自分のペースで」歩み続け、実現させた世界初挑戦。しかし、先を走るライバルたちに追いつくことはできなかった。

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