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減量ダメージの大きい王者の谷口…慎重な判断を

[ 2022年4月22日 05:30 ]

WBO世界ミニマム級タイトルマッチ   王者 谷口将隆《12回戦》 同級5位 石沢開 ( 2022年4月22日    後楽園ホール )

<WBO世界ミニマム級TM谷口×石沢計量>計量超過した石沢不在で行われた記者会見で抱負を語る谷口(撮影・島崎忠彦)
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 減量失敗は必ずしも不利とはならない。むしろ試合時に同じ体重となった場合、一度リミットまで落とした側が不利だ。計量直前の健診で谷口は脈拍が104回/分、血圧が96/86と減量の影響が顕著だったのに対し、石沢は55回/分、128/69。当日計量まで700グラムしか増やせず一日多く苦しい思いをするが、減量幅の大きさがもたらすコンディションの違いは大きい。18年に山中慎介がネリに、17年には大森将平がタパレスにKOされたように、最近は体重超過選手が好調だった例が目立つ。

 日本ボクシングコミッション(JBC)の規定では、公式計量で体重超過が契約体重の3%以上の場合、再計量なしで失格となる。リミットが47・6キロの今回、2・5キロオーバーは5%以上で本来なら一発アウトだが、WBOのタイトル戦にローカルルールは適用されなかった。近年はボクサーを守る意識が高まり、出場停止処分を設けるなど体重超過への厳罰化が進む。興行規模が違うとはいえ、実力者が競い合う世界戦だからこそ体重超過時の試合実施の判断は慎重であるべきだ。(ボクシング担当・中出 健太郎)

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2022年4月22日のニュース