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ゴロフキンがWBA王座返り咲き! 第9R、強烈右フックで村田をマットに沈めてタオルが投げ込まれた

[ 2022年4月9日 21:34 ]

2回、ゲンナジー・ゴロフキンが村田にパンチを浴びせる
Photo By 代表撮影

 プロボクシングのWBA・IBF世界ミドル級王座統一戦12回戦は9日、さいたまスーパーアリーナで行われ、元3団体統一王者でIBF世界同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(40=カザフスタン)はWBA世界同級スーパー王者・村田諒太(36=帝拳)を破り、IBF王座2度目の防衛を果たすとともに、かつて自身が19度防衛したWBA王座に返り咲きを果たした。

 プロとして試合を行うのは、実に9カ国目。20年12月以来のリングで1年4カ月は自己最長ブランクで、8日に40歳の誕生日を迎えたゴロフキンは年齢を感じさせない試合運びで圧倒した。

 立ち上がりからノーモーションからの左ジャブでプレッシャーをかけた。第1ラウンド終了後には村田の顔には血がにじむほどで、パンチの破壊力は健在だった。

 第2ラウンドは村田のボディーに嫌がり後退する場面も。第3ラウンドはゴング開始直後に前に出て攻めるも、村田のしつようなボディー攻めに苦しんだ。だが、確実にパンチを当てて、村田の鼻からも出血させた。

 第4ラウンドからは左フック、ストレート、アッパーと多彩な攻めで翻ろう。第5ラウンドは左フックが入ると一気に攻めた。さらに右フックからの左の打ち下ろしを当てるなど優位に進めた。第6ラウンドには強烈な右フックで、村田のマウスピースを飛ばすと、少し足が止まったのを逃さず攻めるなど、さすがの試合運びを見せた。

 第7ラウンドも攻撃の手は緩めない。村田がロープを背負うと右ストレートに左フックと畳み掛けた。第8ラウンドは終始優勢に進めた。村田をロープに背負わせ、リング中央で足が止まったのを見ると、「来いよ」と言わんばかりに右手で前に出るように指示する場面があった。

 第9ラウンドはゴング開始直後にコーナーへと追い込むと一気にラッシュ。そして完全に足が止まった村田にフェイントをしっかりとかけて攻める丁寧さも。そして最後は右フックで村田をマットに沈めると、村田陣営からタオルが投げ込まれた。

 両者合わせてファイトマネーが推定20億円という日本ボクシング史上最大級のビッグマッチは当初、昨年12月29日に開催予定だったが、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の世界的流行を受け、政府が水際での強化策として外国人の新規入国を原則禁止としたため、ゴロフキン陣営の入国が難しい状況となって延期。4カ月遅れての実現となった。

 ≪ゴロフキンという男≫☆アマ実績&プロタイトル 03年世界選手権優勝、04年アテネ五輪銀メダル。WBA世界ミドル級王座(暫定→正規→スーパー)、WBC同級王座(暫定→正規)、IBF同級王座(2期)。
 ☆世界記録 17連続KO防衛は元WBC世界スーパーバンタム級王者ウイルフレド・ゴメス(プエルトリコ)と並ぶ世界タイ記録。23連続KO勝利を含め、プロ戦績は41勝36KO1敗1分け。
 ☆PFP リング誌のパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超えて強さをランキングしたもの)では、15年にトップ10入りし、17年は1位。
 ☆マネー 17年9月のカネロ第1戦のファイトマネーは300万ドル(約3億3000万円)で、PPVの歩合収益などを加え、2000万ドル(約22億円)を手にした。19年3月にはDAZNと3年6試合計1億ドル(約110億円)の大型契約を結んでいる。

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