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吉野修一郎デビュー15連勝「世界目指して頑張ります」負傷判定3―0防衛 バッティングは「僕の課題」

[ 2022年4月9日 19:35 ]

鼻血が止まらない伊藤(右)と激しく打ち合う吉野(撮影・島崎忠彦)
Photo By スポニチ

 プロボクシング東洋太平洋&WBOアジア・パシフィック・ライト級タイトルマッチ12回戦は9日、さいたまスーパーアリーナで行われ、2冠王者の吉野修一郎(30=三迫)が挑戦者で元WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(31=横浜光)を壮絶な撃ち合いの末、負傷判定3―0で下し、デビューから15連勝で両タイトルの2度目の防衛に成功した。

 試合後、魂をぶつけ合った伊藤に「バッティング申し訳なかったです。僕の課題です」と気遣いのコメント。そして負傷判定での勝利には「それでもうれしいです。これから世界を目指して頑張ります!」と村田とゴロフキンによる世界が注目する一戦を前に高らかに世界へと宣言した。

 序盤からパンチが届く距離で撃ち合った吉野と伊藤。第2ラウンドで早々と鼻から出血した伊藤。第4ラウンド終了時の公開採点は2人のジャッジが38―38、1人が吉野リードの39―37だった。第5ラウンドからは密着戦でショートのアッパーやフック、ボディーの応酬。両者一歩も譲らない気持ちのこもった100%の打ち合いで消耗戦が続いた。序盤のポイントで負けている伊藤は第8ラウンドのゴングと同時にプレッシャーを強めた。第8ラウンド終了時の公開採点は1人が76―76、2人が77―75で吉野リードと発表された。

 第9ラウンドになるとリードしている吉野の手数、プレッシャーが増し、ラウンド終了間際にはラッシュで伊藤を下がらせた。第10ラウンドには吉野がさらにプレッシャーを強めペースを握る。途中、偶然のバッティングで切った伊藤の左目横の傷をドクターがチェックする場面もあった。そして第11ラウンド途中、ドクターストップとなった。偶然によるバッティングによる第11ラウンドまでの負傷判定となり吉野が3―0で防衛を決めた。

 選手層が厚く、人気のある階級ゆえに世界挑戦は簡単ではないが、WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(帝拳)とIBF王者ゲンナジー・ゴロフキンの王座統一戦のアンダーカードで、元世界王者を撃破。吉野が強烈な存在感を示した。

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