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吉野修一郎が壮絶撃ち合い制しV2!第11Rドクターストップで判定3―0 伊藤雅雪下しデビュー15連勝

[ 2022年4月9日 19:12 ]

伊藤(左)と打ち合う吉野(撮影・島崎忠彦)
Photo By スポニチ

 プロボクシング東洋太平洋&WBOアジア・パシフィック・ライト級タイトルマッチ12回戦は9日、さいたまスーパーアリーナで行われ、2冠王者の吉野修一郎(30=三迫)が挑戦者で元WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(31=横浜光)を壮絶な撃ち合いの末、負傷判定3―0で下し、デビューから15連勝で両タイトルの2度目の防衛に成功した。

 笑顔で軽やかにリングインした吉野。真っすぐに前を見据え入場した伊藤。ともに世界を見据えた一戦で第1ラウンドから出せば当たる距離で撃ち合った。第2ラウンドには伊藤が鼻から出血。お互い主導権を握ろうとレベルの高い撃ち合いが続いた。第4ラウンド終了時の公開採点は2人のジャッジが38―38、1人が吉野リードの39―37だった。

 第5ラウンドからは密着戦でショートのアッパーやフック、ボディーの応酬。両者一歩も譲らない気持ちのこもった100%の打ち合いで消耗戦が続いた。序盤のポイントで負けている伊藤は第8ラウンドのゴングと同時にプレッシャーを強めた。第8ラウンド終了時の公開採点は1人が76―76、2人が77―75で吉野リードと発表された。

 第9ラウンドになるとリードしている吉野の手数、プレッシャーが増し、ラウンド終了間際にはラッシュで伊藤を下がらせた。第10ラウンドには吉野がさらにプレッシャーを強めペースを握る。途中、偶然のバッティングで切った伊藤の左目横の傷をドクターがチェックする場面もあった。そして第11ラウンド途中、ドクターストップとなった。偶然のバッティングによる第11ラウンドまでの負傷判定となり吉野が3―0で防衛を決めた。

 試合後、魂をぶつけ合った伊藤に「バッティング申し訳なかったです。僕の課題です」と気遣いのコメント。そして負傷判定での勝利には「それでもうれしいです。これから世界を目指して頑張ります!」と高らかに宣言した。

 どちらが次に世界へ行けるか、生き残りをかけた一戦。栃木・作新学院高で高校4冠、東農大で活躍した吉野は17年10月に日本王座を獲得、19年10月には東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック王座を加え、アジア3冠王者となった。

 選手層が厚く、人気のある階級ゆえに世界挑戦は簡単ではないが、WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(帝拳)とIBF王者ゲンナジー・ゴロフキンの王座統一戦のアンダーカードで、元世界王者を撃破。吉野が強烈な存在感を示した。

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