浜田剛史氏展望　本物VS本物　誇り懸けた“これぞボクシング”が見られる

WBA・IBF世界ミドル級王座統一戦   WBAスーパー王者・村田諒太《12回戦》IBF王者ゲンナジー・ゴロフキン （ 2022年4月9日    さいたまスーパーアリーナ ）

前日計量を終え、視線を合わせる村田（右）とゴロフキン（撮影・西海健太郎）
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　“これぞボクシング”という試合が見られる一戦です。ゴロフキンはうそ偽りのない本物。そして村田も本物です。世界的スターが日本で試合をする。村田という日本人としてまれな存在がなければ実現しない試合です。

　ゴロフキンの特長を一言で表すと「柔らかいファイター」です。ファイターだけど力みがない。だから次のパンチ、次のパンチとスムーズに出る。大振りせずにガードの上からでも効かせられる。相当なパンチ力と言えます。そして手数も多い。リーチは長くないのに踏み込まずにジャブを当てる。つまり、相手のパンチも届く距離で戦っている。打たれ強さにも自信があるんでしょう。

　では、どう戦うか。村田は自分の一番良いスタイル、力を出せるボクシングをやるしかない。打ち合えば、おそらく、ゴロフキンは受けて立つ。避けて勝ちに走ることはプライドが許さないはずです。打ち合いは村田にとって力を出せる状況ですが、ゴロフキンの良さが生きる可能性もあります。それでも、この2年間、積み重ねたことが一つでも出せればいい。村田もパンチはあります。やれることは全部やってきました。あとは天が味方するかどうかです。（元WBC世界スーパーライト級王者）