東洋との2冠目指す日本スーパーフェザー級王者・坂晃典はニュータイプとして覚醒中!?
14日に東洋太平洋スーパーフェザー級王座決定戦(東京・後楽園ホール)に臨む同級2位で、日本同級王者の坂晃典(29=仲里)が2日、電話取材に応じ「スピード、パワー、スタミナ、うまさの全てで上回り“坂は強いんやな”と思ってもらいたい」と意気込んだ。相手の木村吉光(25=志成)は16年フェザー級全日本新人王で現在は東洋スーパーフェザー級3位につける1メートル69の右構え。構えも身長も同じ。この階級では大柄ではなく、積極的に距離を詰めてパワーとスピードを生かすスタイルも共通している。「けっこう自分と似ているのかなと思うし、かみ合うと思う。全体的に上回りたい」。フェザー級と合わせ、日本2階級制覇王者の貫禄を示すつもりだ。
新たな変異株「オミクロン株」の脅威が伝えられる以前は、新型コロナウイルス感染状況が落ち着いていたこともあり順調にスパーリングを積めたという。「試合が近づいてからで数えれば計70ラウンドぐらい。多すぎず、少なすぎず、感覚的に“いいな”という感じですね」。今年1月に渡邉卓也(DANGAN AOKI)を6回TKOで下し、日本王座を初防衛。その後はフィジカルトレーニングも含め、全体的なレベルアップを図った。
「いろいろやっているので何が決め手か分からないんですけど、日に日に良くなっている。今は思い通りに体を動かせる感覚がある。僕の魂がアムロ・レイで、肉体がガンダムだとすれば、どんどん操縦がうまくなっている感じですね」
アニメ「機動戦士ガンダム」ふうに言えば、地球上で生活しながら、ニュータイプとしての覚醒が始まったようだ。
同じスーパーフェザー級の尾川堅一(33=帝拳)が先月末に米国でIBF世界王座を獲得した。「まだ試合映像を見ていないんですけど、凄いですよね」。現在の坂はWBOで10位につける。17階級の区分で下から8番目、ほぼ中央付近のスーパーフェザー級になれば世界的に選手層が厚くなり、世界挑戦の機会が簡単には巡ってこない。「でも決まった試合に勝っていけば、いずれチャンスは巡ってくると考えています。ここまで勝ったり負けたりで時間もかかったけど、基本的には“勝っていけば周りも放っておかんやろ”と。尾川選手も勝ってきたからチャンスをつかんだと思うので」。目前の試合に集中することを心がける。ここまで21勝18KO5敗。強烈な右ストレートを武器にスリリングな試合を展開してきた。その魅力を今回も発揮するつもりだ。
ただ、坂が試合に臨む14日は、同じ東京の両国国技館でWBA&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(28=大橋)が2年1カ月ぶりに国内で防衛戦に臨む。「井上選手はボクシング界の枠を超えた存在で、自分は何も言えません。自分の仕事をしっかりやりたい。会場へ足を運んでくれたお客さんには“来て良かった”“面白かった”と思ってもらえる試合をしたい」。一人でも多くのファンの心をつかむファイトを誓った。
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