DeNAの衝撃トレード 「山本祐大ロス」だけでない若き正捕手候補の成長を見守る楽しみ

[ 2026年5月19日 08:00 ]

DeNA・松尾汐恩
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 DeNAソフトバンクの交換トレードの衝撃はあまりにも大きかった。DeNAが山本祐大捕手(27)を放出し、尾形崇斗投手(26)と井上朋也内野手(23)を獲得。DeNA側はシーズン序盤に正捕手を手放すという大胆な“血の入れ替え”は、伸び盛りの高卒4年目の松尾汐恩(21)の将来性と成長力に懸けるという決意の表れと言ってもいいだろう。

 トレードが発表された12日、エース左腕・東克樹投手(30)は長くバッテリーを組んできた山本ではなく、松尾との新コンビで6回2安打無失点と快投。試合後には「次は僕が(松尾)汐恩を正捕手に育てるつもり。本当に希代さ競れる選手なので、日本を代表するキャッチャーになってもらいたいという強い思いがある」と決意を口にした。

 名投手によって成長のきっかけを与えられた捕手は多い。相川亮二監督(49)も自らの“育ての親”となった投手として、真っ先に「ハマの番長」こと三浦大輔氏(52)の名前を挙げ「やっぱり三浦さんからは本当に多くのことを学んだ」と振り返る。学びを得るのは年長者の投手には限らない。ヤクルト時代にバッテリーを組んでいた球界最年長左腕・石川雅規投手(46)からも大きな影響を受けたという。

 捕手を育てられる投手には共通点があるという。「まずは、コントロールが良いということ」が絶対条件となる。「やっぱり球速で勝負する投手だと、球の速さで何とかなってしまう部分があるので。でも、決して球が速くない投手の場合は配球で打ち取らないといけない。リードしがいがあるし、抑えたときの達成感は大きかった」と振り返る。

 仮に捕手が構えたコースから外れたとしても、球速と球威で結果的に抑えることはできるかもしれない。ただ、若手捕手にとってみれば、意図して打ち取っていない“結果論”が必ずしも成長の糧にはなり得ないということなのだろう。そう考えれば、東はまさに発展途上の捕手を育てられる条件を満たした適任者といえる。移籍が決まった直後、山本は「東さんは僕が1軍にいさせてもらえるきっかけをつくってくれた人」と改めて感謝を口にした。

 松尾は相川監督が「日本を代表する捕手になれる」と見込んだ逸材。伸びしろの塊でもある21歳にとって、今回のトレードは野球人生の大きなターニングポイントになることは十分に理解しており「これから自分がベイスターズを背負っていかなければいけない」と決意を口にした。「山本祐大ロス」を抱くファンも少なくないだろうが、若き正捕手候補の成長を見守るという楽しみもあるはずだ。(記者コラム・重光晋太郎) 

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