TDK・下沢優斗 JABA秋田春季大会で打撃賞を受賞 2年目野手の強みは積み重ねてきた地道な努力

[ 2026年4月25日 13:00 ]

JABA秋田春季大会で打撃賞に輝いたTDK・下沢(提供写真)
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 地道な努力は裏切らない。TDKのお膝元・秋田県で過ごした尊い日々の積み重ねが、下沢優斗内野手(23)の原点であり、最大の強みでもある。

 「小さい頃から負けず嫌いで、何をするにも一番が良かったタイプの人間。気持ちの持ち方であったり、絶対に負けないという思いで何事もやっていけば、自分のやりたいことは実現できると思います」

 身長1メートル71、体重69キロ。屈強な肉体の選手たちが集う社会人野球界にあって、決して恵まれた体ではない。それでも、アマチュア最高峰のステージに立てるのはなぜか。答えは幼少期からの取り組みにある。

 秋田市出身。野球を始めたのは保育園の時だった。日課にしていたのは毎日の素振り。どんなことがあっても欠かさず、バットだけは黙々と振り続けた。「誰かに言われたのではなく、一番になりたかったので自分からやっていました」。小学4年で「東野球スポーツ少年団」に入団してからも自主練習を続け、めきめきと上達していった。

 それだけでは飽き足らず、城東中2年までは空手との二刀流だった。「練習は本当にキツかったけど、体力は相当つきました」。空手の厳しい稽古によって心身ともに鍛え上げ、高校は強豪・明桜(現ノースアジア大明桜)に進学。1年夏もベンチ入りを果たし、吉田輝星(現オリックス)、打川和輝(現TDK)を擁し、後に甲子園で準優勝する金足農との決勝戦もこの目に焼き付けた。

 そんな下沢が今春、JABA秋田春季大会で攻守に躍動した。全3試合とも二塁手としてフル出場。9打数5安打の打率・556、2打点という堂々たる数字で打撃賞に輝いた。チームの優勝に貢献した中で、少なからず手応えを感じたのが初戦・能代松陽クラブとの第2打席。1―0の3回無死二塁、カウント1―1から外寄りのカーブを右前へはじき返した。

 「ランナーを進めたいところで、しっかりライト前へ打つことができた。練習の成果を出せたと思います」

 ノースアジア大から入社して、2年目となる今季。新人だった昨季は相手投手のレベルの高さに驚かされたという。

 「自分の力のなさがよく分かりましたし、1枚も2枚も上という印象でした。打席の中で甘い球は一球あるかないか。その一球を仕留める能力がなかったと思います」

 自らの課題を冷静に分析し、向き合う強さがある。主要な公式戦で一度もスタメン出場を果たせなかった悔しさを胸に、今オフはフリー打撃の際に自ら細かい状況を設定。試合を想定したスイングを心がけるとともに、長所の一つである選球眼にも磨きをかけた。ボールをしっかり見極められる能力があるからこそ、グラウンドを90度使って広角に打ち分けることもできる。先の秋田大会での5安打は左翼2、中堅1、右翼2と物の見事に打ち分けてみせた。冬場のウエートトレーニングの成果もあり、打球の鋭さもアップ。能代松陽クラブ戦では第1打席でセンターオーバーのランニング本塁打も放った。

 「2年目になるので自分のポジションを確立して、スタメンで試合に出られるようにしたいです」

 ローカル大会とはいえ、同大会決勝のJR秋田戦は主力が多く出場した中でもスタメンの座を勝ち取ることができた。厳しい競争が待ち受けるが、2大大会でもその座を譲るつもりはない。名物「いぶりがっこ」に目がない秋田っ子。小柄な体にも負けず、名門で生き生きとプレーする姿は、地元の野球少年たちにとって最高のお手本となるに違いない。 

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