【対談 阪神・伏見寅威×矢野燿大氏(1)】史上初の捕手出場でセパ日本一へ背水トライ

[ 2026年2月17日 05:15 ]

対談を終え、笑顔でポーズする矢野氏(左)と阪神・伏見(撮影・椎名 航)
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 昨年11月にトレード加入し、初の沖縄・宜野座キャンプに参加中の阪神・伏見寅威捕手(35)が、本紙評論家の矢野燿大氏(57)と対談に臨み、「一年一年が勝負。常に“今年一年で終わってしまうかも”という気持ちで今年もスタートしています」と背水の陣を敷いて14年目シーズンに向かう決意を表明した。同じ捕手出身の矢野氏からは「伏見にしかできないことが、このチームの中にある」などとエールを受けて意気投合。捕手論、配球論で盛り上がった。22年のオリックス時代に続き、捕手出場してセパ2球団で日本一ならプロ野球史上初。伏見が偉業に挑む。

 矢野氏(以下、矢野) 宜野座キャンプも第3クールが終了。タイガースの印象はどうですか。

 伏見 ファンが多くて、凄く注目されているのを感じます。

 矢野 今回はパ・リーグからセ・リーグに移ってきた。違いを感じていることはある?ここを準備していこうとか、何か思っていることとか…。

 伏見 パ・リーグの選手については、何を聞かれてもすぐ答えられるんですけど、セ・リーグの選手は交流戦でしか戦っていないので、“どうアプローチしてくる”とか自信を持って言えないですね。シーズンが始まるまでの時間で、どんどんそこを、詰めていきたいと思っています。

 矢野 昨年のこの時期に日本ハムの名護キャンプに行くと、山田(勝彦)コーチが「伏見がいてくれるのは、めちゃくちゃありがたいんです」と言っていた。キャッチャーって、数字を出す部分も大事やけど(選手やコーチに)信頼されることも大事。伏見はそういう(信頼された)選手なんだって思った。現状では坂本が一番、正捕手に近いのかもしれないけど、伏見の捕手としての強みはどこかな。

 伏見 特別に肩が強いとか、打撃がいいとか、キャッチングがズバぬけてうまいとか、本当にそういうのがない平均的な選手だと思っています。でも自分の中では“伏見が出たらなんか勝つよね”“何かゲームが締まるよね”と言ってもらいたい。ゲームをつくるという部分に、常にこだわってやっています。

 矢野 それを聞いただけで好き!キャッチャーとして好き!オレもズバぬけたものがなかったし、投手に何とか信頼してもらえるようにやってきた。凄く共感できるところがありますね。今年36歳になるシーズンか。

 伏見 若い人にはかなわないですけど、僕の中では一年一年が勝負。結果が出なかったら、若い選手にシフトしていくのがプロ野球の世界なので、今は年齢のことより、一年一年が勝負だと思ってやっています。できれば長くやりたい思いはありますが、今までレギュラーをつかんだことがありません。“来年(の立場)は大丈夫”となったことが一回もない。常にライバルがいて、彼らのバックアップと思われていた。なので“自分のペースでやろう”とか“開幕に合わせてやろう”とか考えたことがない。常に“今年一年で終わってしまうかも”という気持ちでしたし、今年も、そんなふうにスタートしています。

 矢野 いやー、もう話を聞くたびに伏見を好きになっていく。俺がピッチャーやったら、もう好きになっている(笑い)。自分のことを言うのもなんやけど、オレも36歳の時(37歳シーズン)に一番、ホームラン数が増えた!19本!年齢を重ねるのはいい経験として、伏見にしかできないことが、このチームの中にあると思う。伏見らしさを楽しみにしています。

 【(2)へ続く】

 ○…自身が捕手出場した日本シリーズでの優勝を複数球団で経験した選手は、鶴岡慎也(日=06年、ソ=15、17年)まで過去4人。いずれも同一リーグ2球団での記録で、セ・パ両リーグでの達成はない。なお、複数球団から日本シリーズで捕手出場経験のある14人のうち、両リーグの球団から出場は嶺井(D=17年、ソ=24、25年)まで8人。阪神選手では藤井彰人が近鉄の01年と阪神の14年に出場したが、どちらも日本一を逃している。

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