横田慎太郎さんの引退試合で勝利球を手渡した高野圭佑氏「子どもたちに見て欲しい」自費で映画に招待

[ 2026年1月6日 11:30 ]

元阪神の高野圭佑氏
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 元阪神で23年に脳腫瘍で亡くなった横田慎太郎さん(享年28)の生涯を描いた映画「栄光のバックホーム」(監督秋山純)は、5日までに累計動員100万人、興行収入14億円を超えるなど大ヒット中だ。横田さんが19年9月26日の引退試合で見せた「奇跡のバックホーム」。その試合で最終回に登板しウイニングボールを横田さんに手渡したのが高野圭佑氏だ。高野氏は横田さんの生き様、映画に感銘を受け今回、自費で学生たちに映画鑑賞の機会をプレゼントする企画を始めた。同僚だった期間は短いものの、横田さんの生涯、挑戦する姿を多くの子どもたちに知って欲しいという思いでいる。(取材・遠藤 礼)

 高野さんは5日、自身のインスタグラムに映画招待の企画をアップ。地元広島・呉市の映画館に10歳から18歳の学生を対象に招待する予定だ。「横田さんとの多くの思い出や記憶をお持ちの皆さまと比べれば、僕が横田さんと過ごした時間は決して多いものではありません」。映画公開後から横田さんの家族や関係の深かったタイガースの同僚たちのコメントなどを目にして、自分が前に出るものではない、という葛藤も当然あった。ただ、映画を鑑賞した後「これは1人でも多くの人、特に子どもたちに見てほしい」と心を揺さぶられたのも事実。19年にロッテからトレードで移籍した高野氏と横田さんが同僚としてプレーした期間は1年にも満たない。ただ、高野氏には忘れられない、濃密な記憶がある。それが横田さんが引退試合で「奇跡のバックホーム」を披露した19年9月26日のウエスタン・リーグのソフトバンク戦(鳴尾浜)だ。

 誰もが奇跡を信じたあのバックホームを高野さんは三塁側のブルペンで見ていた。「本当に野球の神様っているんだなと…。僕は9回に投げる準備をしていました。絶対に横田さんにウイニングボールを渡そうと」。2点リードの9回に登板し無失点で仕事を果たし、高野さんは横田さんにボールを渡した。「1軍の試合以上に必死に投げて…。ボールを渡すことができて良かった」。24年に社会人で現役引退した高野氏にとって忘れることのできない1日として記憶に刻まれている。

 「タイガースに移籍して寮で初めて食事をした日、偶然、横田さんと隣の席になりました。食事の間、横田さんはロッテから来た僕にタイガースの話をしてくれて、楽しく食事を終えました。横田さんと病気について話したことは一度もありません。でも、練習で必死に取り組む姿、野球選手としての姿勢は常に目に焼き付けています。心からリスペクトしていました」

 あの日、手渡したウイニングボールの替わりに高野さんが横田さんから受け取ったものも少なくない。

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