中畑清氏「私の中で、長嶋さんは死んでなんかいない」時代築いた恩師にレクイエム

[ 2025年12月30日 05:15 ]

1980年、長嶋監督(左)からつきっきりで併殺の指導を受ける中畑氏
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 「昭和100年」に当たる今年、時代を象徴するスポーツ界の巨星たちが天国へ旅立った。巨人の4番打者、監督を務めて「ミスタープロ野球」と称された長嶋茂雄さんは6月3日に肺炎のため89歳で他界。教え子の中畑清氏(71=スポニチ本紙評論家)が改めて思い出を寄せた。

 告別式で弔辞を読ませていただいた。東京ドームで行われたお別れの会では花をささげさせてもらった。でも、まだお墓参りには行けていない。亡くなったことを認めたくないんだろうね。

 テノール歌手の秋川雅史さんが歌う「千の風になって」はこう始まる。

 ♪私のお墓の前で泣かないでください

 そう言われても、その前で手を合わせれば泣くに決まってる。もう泣きすぎたから、これ以上はいいよ。私の中で、長嶋さんは死んでなんかいないしね。今でも太陽のような存在。強い光を照らしてくれている。気配り、目配りができる、思いやりの人。天から見守ってくれているんだ。

 長嶋茂雄になりたくて始めた野球。憧れの人がいなかったら、今日の自分は存在しなかった。私の人生を与えてくれた恩師。選手として、コーチとして、そばにいられたことを幸せに思う。

 喜怒哀楽を前面に出して、常に全力プレーするのが長嶋さんの原点。ここぞの場面で期待通り打ってくれる勝負強さだけじゃない。ヘルメットを飛ばすくらい強振して三振してもファンを魅了する。一塁へ送球した後に右手をヒラヒラさせる三塁守備もそう。一挙手一投足に一瞬たりとも目が離せなかった。

 ライバル球団のファンすらも「長嶋だけは別」と味方につけたミスタープロ野球。私がDeNAの監督になったときは「明るく楽しい野球をやりなさい」と励ましてくれた。おかげで中畑清の色が出せたと思う。

 それにしても2025年は何という年だろう。長嶋さんに続いてサッカーの釜本邦茂さん、ゴルフのジャンボ尾崎さんも…。日本の人気スポーツを背負ってこられた「ビッグ3」。ワイングラスでも傾けながら、天国で座談会をやってくれていたらいいな。(スポニチ本紙評論家)

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