【筑後鷹】前田純“無の意識”を大切に 来季の飛躍へ

[ 2025年12月2日 06:00 ]

ソフトバンクの前田純(撮影・昼間 里紗)
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 ソフトバンク3年目の前田純投手(25)は左肘に違和感を感じた7月下旬以降、リハビリに励んでいる。昨季の1試合から飛躍し、今季は自己最多10試合に先発したが、実戦から離れた期間は闘志を燃やすために試合を客席から見ることもあった。大学時代に“無の意識”の重要性に気づき、昨季オフの和田塾での異次元のランニングで改めて必要だと認識。“無”が自身に合うと感じる、意外な理由も明かした。

 前田純は3年目の今季、先発で登板した7月26日のウエスタン・リーグ中日戦を最後に戦線離脱した。「(左肘に)塊がある感じがして、それが気になってブレーキがかかっていた」と振り返る。現在リハビリは順調で、来年2月の春季キャンプからチーム練習に合流することを目標として、焦らずに調整を続けている。

 今季何度か、球場に足を運んでお忍びで観戦をした。目的は明確で6月には「観客目線で球場の食べ物や飲み物を楽しみながら、プロの試合をしている甲子園を見てみよう」と大阪へ。「憧れの景色。このマウンドに立ちたい」と再認識した。リハビリ期間中には松本晴投手が先発の試合を選び、みずほペイペイドームのスタンドで観戦。「頑張っている晴を見たいのと、自分への闘志をよみがえらせるみたいな感じ」。プレーできないからこそ客観視する機会をつくり、今後に生かす学びを吸収していた。

 不思議で独特なオーラを放つ前田純が、マウンドで心がけていることがある。それは“無の意識”だ。「大学の時に力んで裏目に出てから、無を意識するようになった。そしたらすごく楽になった」。昨年オフに参加した和田塾でのつらすぎるランニングで“無”の重要性を改めて感じた。「足を前に出すだけ、みたいな。異次元の本数を走ったときに“無”にならないときつすぎて無理だったので」。マウンドでつらいときや調子が悪いときはもちろんだが、調子が良いときこそ、“無”の状態を意識して“いつも通り”の投球を目指している。「多分、ぼーっとするのが自分は得意なので。合っているんだと思います。(無になるのは)難しくないですよ」とはにかんだ。

 昨年の日本シリーズは第3戦でリリーフし、2回無安打無失点の好投を見せたが、今年はテレビ越しでの応援となった。「(見ていて)投げたくなったけど、投げられないから我慢という感じ」。リハビリ期間は下半身のウエートトレーニングをメインに行い、約4カ月間で体重は5キロ増えた。目指すのは球の質の向上と、最速から5キロアップの球速150キロだ。自身に合った取り組みで実力をつけ、我慢した分来季はマウンドで躍動する。 (昼間 里紗)

 ◇前田 純(まえだ・じゅん)2000年(平12)6月4日生まれ、沖縄県出身の25歳。建設会社勤務の父親の影響でシンガポールで生まれる。3歳から小学3年まで千葉県浦安市、小学4年から沖縄市で育つ。高原小で競技開始。中部商を経て日本文理大から22年育成ドラフト10位で入団。兄は社会人・日本通運の右腕・前田敬太投手。1メートル89、88キロ。左投げ左打ち。

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